スマートな我が子世代に教えられ

僕はカラス好きですから、カラスの話題が出ると、捨て置けません。

「カラス、なぜ鳴くの?」を研究している慶応大学の近藤紀子女史の実験。

・まず、カラスを11羽用意する。

・AB2羽のカラスをカゴに入れ、間をカーテンで仕切る。

・B1羽をカゴから出し、C以下のカラスを順々に入れ換える。

・そして、Aカラスの反応を見る。

・次に、Bカラスを動かさないで、同じように入れ換える。

108通りの組み合わせをやり、仲間のカラスなら行動せず、仲間でない時は「あんた、誰?」と探る行動に出る、という結果。

もしかすると、女史も幼稚園児の頃に、親から加古里子(かこ さとし)さんの絵本「カラスのパン屋さん」を読んでもらったかなぁ。

1977年の生まれの次男坊が小さい時、この絵本を買い与えましたが、ストーリーも絵も気に入って、僕自身が夢中になりました。

それ以来のカラス好き。

1月30日、ブログで「カメだっち」と外苑前で遊んだ話をしました。

彼の事務所ビルに近づくと、5〜6人の女の子が、お風呂に浮かべて遊ぶアヒルを配ってました。音でいえば、栗コーダーカルテット

「歯科医院がオープンしました。見に来てください」と通行人を笑顔で誘っている。

おもしろいよねぇ、歯医者さんがアヒルを配る。おちゃめな予想外に、ついフラフラと入る。

まぁ、きれいで利発そうな院長だこと。僕のかかりつけの歯医者さんは、日大大学松戸歯学部の卒業です。

「えっ、私もです」と、ルカデンタルクリニックの小林瑠美さんは、眼を丸くして驚く。卒業後、研修医→勤務医を経て、今回めでたく開業医になりました。

訊けば、彼女も1977年生まれで、こうなると娘を見るような眼になります。こうなるまでの歳月の重さが浮かび、祝福もひとしお。

一途にやって来たんですねぇ。

実は、その2日前、僕は東京都写真美術館の「ストリートライフ」展に出掛けてました。

明治大学で美術・写真史を教えている倉石信乃さん(写真手前)と、横浜国立大学で芸術論・知覚論を教えている平倉圭さん(写真奥)の対談がありました。

チラシを見ていたら、平倉さんも1977年生まれ。「おぉ、我が息子が何を教えてくれるの?」。

「ストリートライフ」展には、7人のヨーロッパの写真家が展示してあります。

アウグスト・ザンダーは1964年まで生きましたが、他の6人は、19世紀の人や20世紀初頭に生きた人。

ブラッサイ、アジェ、ビル・ブラントなど、いずれも写真のビッグネームです。

近代化されていく街角や生活の風景の記録。美術館はソーシャル・ドキュメンタリー写真と括りました。僕も、歴史や社会から写真を見てました。

2人は、美学から見ていました。

・写真は複数の姿勢群が写し出されている。

・姿勢群はそれぞれ異なる持続を持つ。

・身体の痕跡は、インデックスである。

写真の見方が、広がったような気がしました。それが、素直にうれしくもあり、面映くもある。

ところで、ザンダー。「ドイツ国民の総カタログ」を目指して撮影していたとは。知らなかったなぁ。

作曲家ヒンデミットのポートレイトも撮ってました。