想像大陸アフリカの空白部を埋める
皆さんは「モロだっち」のこと、覚えてくれてますか?
アフリカ北西の国・モロッコから一旦帰国し、今度はアフリカ南東の国・コモロ連合に出掛けた友だち「モロだっち」。
コモロ連合って、聞いたことないでしょ? 調べてみたら、アフリカ大陸とマダカスカル島の間に浮かぶ諸島の国。
この冬は、とにかく寒さが身にこたえてました。「南国じゃ、赤道じゃ。ゴリラだ、バナナだ、チョコレートだ」と、小学生並みの想像を浮かべてしのぎました。
ですから、「モロだっち」がうらやましくてね。彼女が3ヶ月ぶりに帰国した知らせ。
・3月1日、断続的につよい雨が降るコモロ連合アンジュアン島を発ち、首都モロニへ。
・3日モロニからアンタナナリヴ(マダガスカル首都)経由パリへ。
・4日パリ発、5日成田着。
・6日羽田発、「キュッキュッ」とヤモリが鳴くアンジュアンから、梅咲く山陰へ戻りました。
え? ヤモリって鳴くの?
それにしても、ピンポン球のように激しくあっちこっち移動し無事帰国。道中は約1週間。ドロドロに疲れたことでしょう。すべてをうっちゃって、大の字になって寝てください。
・マイヨット(フランスの海外県)やマダガスカル、比較的近いリゾート地モーリシャスなどに出かけることもなく、ずっと雨に閉じ込められてました。
海外県って、なんかパナマ帽を乗せて出掛けたい響き。
北半球の冬は、南半球の夏だから、現在が雨期ということなのでしょうか?
ujanjaって、読めます? ウジャンジャ。
商売上の手練手管の意味。
2人でチームを組んで古着を売る。お客を引きつけるパフォーマンス「夫婦げんか篇」開始。
夫役「彼は友だちなんだ」
妻役「でも、その値段じゃ儲からないわ。わたしの商売に口出さないで」
夫役「ハニー、時には利益がなくてもいいじゃないか。彼は日雇いの労働者なんだ」
妻役「もう、あなたがうるさく言うから今回だけは、値引きして売るしかないわ」
とあきらめ顔で売る。お客は得した気分でニンマリ。2人はお客が見えなくなってから、じっくりニンマリ。
このujanja、お客に気付かれているでしょう。
でも、計算高さやずるがしこさがバレバレでも、やめようとしない。なんとなくお客が「おもしろい、憎めない、降参だ」と思わせるユーモアとか悲哀がある。
この研究をした人、関西の出でしょう? と奥付を見たら、やっぱり。
「都市を生きる狡知」小川さやか著。サブタイトルは「タンザニアの零細商人マチンガの民族誌」。
京都大学のアジア・アフリカ地域研究の博士。現在は、国立民族学博物館の研究員をやってます。
ケニアの南隣、タンザニアには「マチンガ」と呼ばれる街の行商人がいる。もう、これだけで僕は読みたくなってました。
そして、さやか嬢は現地で500人の常連客を獲得するほどのマチンガになる。人呼んで「カジャンジャ(お転婆)」。音ならアレステッド・ディベロップメント。
・ウィットのある皮肉で、思わず笑かす
・誰でもわかるゴマスリをして、閉口させる
・必死に道化を演じて、哀れを誘う
・田舎者や頑固者を演じて、お手上げにする
これで、博士号取得。本はサントリー学芸賞受賞。
ニュースで本を知ったのですが、願わくば、タンザニア人と結婚して子供10人ほど産んで、ショーミのハナシが「マチンガ」を続けて、アフリカの母になって欲しかったよ。
図書館で「マチンガ」本を借りておとなしく帰りゃいいのに、新着図書の棚を見たら「読んでもらいたい」と誘っていたので、こちらも借りる。
「ダーク・スター・サファリ カイロからケープタウンへ、アフリカ縦断の旅」ポール・セロー著。
彼は、ウガンダの大学で講師をしたこともあります。けれども、旅の紀行と小説が知られてますね?
途中、「マチンガ」のいるタンザニアにも寄ります。が、とりあえずは第1・2・3章のエジプト部を読む。
ポール兄さん、ウードを聴きながら、さっそくインシャアッラーの洗礼を受ける。
・神の思し召しによって
・まもなく、いつかは、時が満ちれば
・願わくば、あてにしないほうが
・祈りなさい
・だめです、絶対に無理
と5段活用する意味の変化に、いつしか体が順応するカイロとナイル川の日々を読んでます。
ケープタウンまでを読むのに1ヶ月はかかりそう。