ノミを持たせりゃ日本一、が全国にいた
19日から始まった水泳教室、泳ぎながら、映画「アンダーグラウンド」のサウンドトラックが流れてました。
バルカン音楽、ジプシーの音って、翻弄される音でしょ? 「どうにもならない」民族の音。
エミール・クストリッツァ監督、他の映画も見たくなってきました。
「これから3ヶ月で、個人メドレーができるようになりましょうね」。
ついに到達しました、クラス1。5段階の最高峰。
4泳法を習う「始めようスイミング」で、はっきり先生から言われて、気持ちに期するものができる。
クロールだけは、できていました。でも、飽きるんです。他3泳法を教室で習ってからは、自主トレもバリエーションができるので飽きない。それも、
裏返し平泳ぎとか、水中で1分滞在とか、ターンとか、
普通、プールで見かけないこともやって遊べる。
「底のラインの先がT字になってるでしょ? T字が見えたら、体を水平から横に構えてターンの準備をしてください」。
残念ながら、T字の場所は選手を想定してある。つまり、シロウトがターンの姿勢をしても、プールサイドに届かないんです。あと、1〜2掻きしないと。
あぁ、貧しい泳力。
で、そのターン。壁を両足で蹴る刹那、水鳥になっている妄想がよみがえる。貧泳力はさておき。
大海で、水面を見ながら滑空して、エサを発見して、急降下して、小さな泡を糸のように引きずりながら水中をよぎる「我が身」。
飛躍しちゃうのよ、悪いけど。わるいねぇ。
17日にブログで書いた真福寺の唐破風の水鳥が、頭の中に残っているのです。「必死な目つきしているなぁ」。
江戸時代は寺子屋を開設していたという真福寺。合わせて、「これは山本栄雲作です」と寺の説明。木彫連盟の会長さん。
木彫といえば、日光・東照宮「眠り猫」で有名な左甚五郎。小学校の修学旅行では、何の感興も湧きませんでした。
それが、落語・講談・浪曲を聴くようになって、彼がどれだけ日本人に愛されていた大工かわかるようになると、寺社彫刻に目が行くようになる。
最近入手した千葉県・いすみ市の観光チラシにも、「波を彫っては天下一」の武志伊八郎の彫刻が紹介されていました。うねる波の躍動感。
南房総には「波の伊八」作品が、多く点在するという。
「寺社の装飾彫刻」若林純著をめくってます。
写真集です。6年間で600寺社を巡った中から、111寺社の彫刻をとりあげる。
おなじみキャラは、龍・獅子・麒麟・鳳凰などの霊獣。次に、日本や中国の伝説や歴史上の人物。七福神とか仙人とか力神とか唐子の類い。
リアルな農村風景や、酒造り・大工・養蚕・紺屋など職人尽くしもある。野菜や魚介類もある。日清戦争後に彫られた日本陸海軍もある。
左甚五郎を含めて、江戸時代中期から明治時代にかけて、大工と彫物師は分化していなかったのではないでしょうか?
掲載寺社一覧に、「棟梁・彫工」者が出ているのがありがたい。
巻末「参考文献一覧」を見る。語り継がれる大工たち。
・「名工 左甚五郎 伝説と真実」 見学稔 著
・「近世大工の美学」 内藤昌
・「石川雲蝶」 木原尚
・「長州大工」 東和町誌
・「宮彫りの名工 北村喜代松伝」 倉若昭一
・「彫刻師 門井鳳雲」 周防大島の建築文化
・「彫物師 関口文治郎」 黒保根村誌
・「安曇の宮大工 ふたりの豊八」 宮下一男
ありました。
・「波の伊八」長谷川治一
寺社には棟札というのがあって、ここに墨で名前が書かれているのです。出身地や所属流派を書いたものもある。
もちろん、不明なものも多い。「伝○○作」と曖昧なものもある。そそるよねぇ。
娯楽が少なかった時代、これらの彫刻は、祝祭や慰霊や幻想ビジュアルとして、おおいに貢献したのではないでしょうか?
ケ=普段の日。ハレ=特別な日。
お代官と庄屋様と与作のニーズに応えて、大工は「ここに来れば、ハレの気分」になれるものを作ったのか?