2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

トゥルー・ストーリーズ ポール・オースター

古本屋の店頭、歩道に突き出てワゴンがある。だいたい店舗の両脇にある。名前をギョーカイでは均一台という。文庫か新書ばかり、1冊100円均一だから。意外に売れると聞く。それでも売れないとも聞く。同じ均一台でも、破格看板を見つけた。・5冊で10…

グアンタナモの女 キューバの心

北海道、根室半島の先端は納沙布岬。日本のもっとも東。海の向こうは歯舞群島。群島の一つ、貝殻島まで3.7km。島というより岩礁。現在はロシア領。岬と岩礁の中間線が国境だ。6月1日に昆布漁が解禁。毎日、昆布をモグモグやってる身としては、捨て置けな…

FIFA汚職 アメリカ司法省

サッカーなでしこ、カナダW杯へ出発。もう、あれから4年経ったか。すこぶる困難な連覇に向けて、夢よもう一度。ドイツカップは、ドルトムントvsウォルフスブルク。香川のドルトムントが負けた。朝3時くらいにスタートした試合は、見応え充分だった。欧州CL…

すっぴん魂 室井滋

室井滋って字面は、たびたびお目にかかってた。むろいしげる。男のようでもあるが、女とも感じる。6月1日のテレビ「鶴瓶の家族に乾杯」に出演していた。高知県南国市。ここは尾長鶏で知られている。文字どおり尾っぽがロングロング。日本画によく描かれる…

スキマ植物の世界 塚谷裕一

都立園芸高校で、1年間バラ栽培の講習を受けた。僕以外は、バラ少なくとも園芸経験者だった。中には自宅の庭ばかりか、公園に出向いて積極的にボランティア活動をする人もいた。「外来種のセイヨウタンポポを刈るんです。日本在来種のタンポポを守るために…

EUフィルムデーズ フィルムセンター

三大映画祭は、カンヌとベルリンとベネチア。最高賞は、カンヌがパルム・ドール(金の棕櫚) ベルリンは金熊、ベネチアは金獅子。一等賞は、とにかくゴールドなのだ。今年のカンヌを振り返ると、社会派の受賞が目立ったらしい。スリランカ内戦と難民密航船「…

オルタナティブ・オリンピック 宇野常寛

東京文化資源会議のシンポジウムがあった。ほぼ台東・文京・千代田にまたがる地域を「東京文化資源区」にしようという試みだ。上野公園・本郷・湯島・神保町。回遊できるから、散歩が楽しいエリア。具体的には「東京ビエンナーレ」実現をめざす。もともと、…

歴史観の転換 網野善彦対談集

網野善彦さんの対談集、第4巻「鎌倉・室町期の日本」岩波書店刊の広告を見た。読んでいて、チンプンカンプンだったのが第1巻「歴史観の転換」だった。日本は農耕定住型社会、とさんざん聞いた。読んだ。ところが網野善彦さんは、異をとなえる。そこが新鮮…

グエルチーノ展 西洋美術館 

図録を買えば、本名は出ているだろう。パネルしか読んでないから、本名は忘れた。とにかく、「斜視の小男」というあだ名を、イタリア語ではグエルチーノというのだ。上野の西洋美術館訪問。よみがえるバロックの画家・グエルチーノ展。17世紀でバロックと…

良寛のように生きたい 太陽

一休さんと良寛さん。坊さんはわかるが、どんな人って思ったことない? かすかに思い出すような頻度のことだけど。深みにはまると付いて行けなくなる恐れがあるので、ヴィジュアル優先で探す。1994年11月号「太陽」平凡社刊に、特集で「良寛のように生…

レオン・ラ・カム シルヴァン・ショメ

シルヴァン・ショメの名前は覚えてなくても、アニメ映画「ベルヴィル・ランデブー」「イリュージョニスト」を見たことがある人はいるでしょう。フランスアニメはアメリカものと違って、シックな色使いをする。輪郭も自信なげだ。造形的でなく、描写的。「レ…

港区歴史観光 港区産業振興課

安政の大獄の井伊直弼の銅像が立つ公園を、掃部山公園と呼ぶ。横浜にある。事情を知らずに掃部山公園を訪ねれば「この公園、なんて読むの?」だろう。僕もそのクチ。かもんやま。直弼さんの官位が、かもんのかみ掃部頭だったから。どんな官位かといえば、宮…

とっておきあそび大集合 鈴木翼

孫と、手に手をとってほっつき歩く非公認クラブ「孫部」。公園でも遊ぶ。すると、同じ色の帽子をかぶったちびっ子がワラワラ現れて、小1時間はしゃぎ、波が引くようにいなくなる。まだ保育園に入る年齢に達してない部長の孫。これからのことを考えると、お…

嘘から出たまこと バルガス・ジョサ

バルガス・リョサじゃないの? ジョサが正しいの?Vargas Llosaとあった。リョと読んでもジョと言おうと、つづりはユダヤ/ジューと同じでJから始まると思っていたが、Lだった。ペルーの小説家。ラテンアメリカ文学ビギナーの僕でも、名前だけは知っている。…

東京都セレブ区福祉部 山谷哲夫

オンブズマンって、とんと聞かなくなった。「東京都セレブ区福祉部」現代書館刊。1999年から15年間、渋谷区でオンブズマン行政監視人をやった山谷哲夫さんの記録。役所告発本という単純なものじゃない。役人を監視するんだから、軋轢がある。あっても…

元気で大きいアメリカの赤ちゃん ジュディ・バドニッツ

国際文化会館で「文学にまつわる難問」というレクチャーがあったが、見逃した。同志社女子大ジュリエット・カーペンターさんの講演。安部公房「密会」、俵万智「サラダ記念日」、司馬遼太郎「坂の上の雲」、水村美苗「本格小説」「日本語が亡びる時」を翻訳…

漱石の思い出 夏目鏡子

「『らかれそ』読んでる?」と、ボケをかまされた。僕と同じ朝日新聞を読んでるデザイナーから。「それから」連載を熟読中。ペロっと読めちゃうから、ついでに「漱石の思い出」文春文庫刊に手が出る。かみさんの夏目鏡子・述、松岡譲・筆録。文庫で460ペ…

スペインのチェロ 鈴木優人&同級生

台風6号が来襲した夜、コンサートに出掛けた。「スペインのチェロ ボッケリーニと18世紀の巨匠たち」。ホセチュ・オブレゴンのチェロ。ズワ〜 クリュ バッバッ ボワッ ギュワ。チェロの音は内臓に響くから好きだ。目の前3mでやられると、体全体に残響が…

渋谷映画祭部 シブヤ大学 

また部活動を始めた。今度は、渋谷映画祭部。渋谷 + 映画 + 祭 + 部活が全部つながっている。それはおもしろいが、始まったばかりなので具体的には不明。月1回寄り合う。まずは、それぞれ映画をからめて自己紹介。大学の映研と同じでフリークが集まった…

禁煙外来 チャンピックス錠 

本日、スーパーのピーコックでの買い物。・ピーナツ入り柿の種 中国山東省落花生 大粒ピーナツをミックス・キシリクリスタル レモン&グリーンレモンミントのど飴・カルピスキャンディ 爽やかでやさしい4種の味わい・岩塩 ドイツ・ベルヒテスガーデンの再結…

有頂天家族 森見登美彦

毎年夏になると、京都・糺の森にある下鴨神社で古本展が開かれる。参道の両脇に、全国の古本屋が出張して並ぶ。店主と親しくなり、出直して岡山・広島・大阪・新潟・長野・群馬の店を訪ねたこともある。糺の森だったから行った。「ただすのもり」と読む。い…

犬が星見た 武田百合子

9日のモスクワ赤の広場で、対ドイツ戦勝70周年軍事パレードがあった。プーチンは、本気だった。2011年から10年間に52兆円かけて兵器を近代化している途上なのだ。無人砲塔の新型戦車アルマタ。米国ミサイル防衛を突破するヤルス。戦略爆撃機B1に…

「芸術新潮」のつくり方 ドットDNP 

GW終了。6日で終わり、7・8日はブツブツ言いながら出勤した人もいたろう。でも確実に10日でGWは終了したのだった。市ヶ谷にある「ドットDNP」のプログラムは、僕のような行くあてのない人間にはもってこいだった。大日本印刷のショールーム。5日から9…

夜想曲集 カズオ・イシグロ

本屋の店先で大々的に売り出してた。「忘れられた巨人」カズオ・イシグロ著 ・「わたしを離さないで」から10年。ブッカー賞作家が満を持して放つ新作長編。 ・著者来日。偶然だ。今、カズオ・イシグロ著「夜想曲集」早川書房刊を読んでいる。長崎生まれ、…

ストーム・チェイサー 青木豊

テレビ「情熱大陸」で青木豊さんを見た。地元の茨城県下館ばかりでなく、アメリカロケまで放送された。雷と嵐の追っかけ「ストーム・チェイサー」結エディット刊は、青木さんの本。Storm chaserは、竜巻や雹(ひょう)を追いかけ、映像・写真をテレビ局や新…

正直 松浦弥太郎

「正直」河出書房新社刊を読んだら、プロフィールに「前・編集長」とあった。雑誌「暮しの手帖」編集長を、9年間もやっていた松浦弥太郎さん。流行を追う雑誌じゃないから、できたことか。それより、本人のこと。編集長の前には中目黒に書店COW BOOKSを開い…

雪舟 木村茂光

とある山寺。和尚さんに叱られ、罰として本堂の廊下の柱に縛られる子僧。ションボリ悲しくなって泣く。落ちた涙に、足指が動く。夕方、「少しは反省しているか」と和尚さんが廊下に出ると、子僧の足元にネズミが一匹。「ややっ」と慌てて駆け寄る。涙で描か…

ストランドビースト テオ・ヤンセン

Utubeで最初に見、そのうちCFにも登場したストランドビーストが日本にやってきた。二子玉川駅にできたショッピングセンターのオープニングイベントに登場するというから、多摩川の河川敷やフィールドで動かすものと思っていた。違った。あくまでショッピング…

くりかえすけど 田中小実昌

いろいろな雑誌に書いてきた原稿をまとめて1冊にすることは、よくある。小説の場合は、代表作とか話題作がタイトルになる。エッセイでは、改めてのタイトルが付けられる。「くりかえすけど」幻戯書房刊。田中小実昌(こみまさ)、こみさんの本。短篇アンソ…

鎌倉大仏 泉秀樹

GWに鎌倉へ、の人も多いだろう。鎌倉好きは、海派と山派に分かれる。海派は音楽・スポーツ好きで明るい。山派は歴史・文学好きではかなげ。両者ミックスされて、「鎌倉に行く」という口吻には、どこかシックなセンス自慢がただよう。江戸時代、イギリス東イ…