ストランドビースト テオ・ヤンセン

Utubeで最初に見、そのうちCFにも登場したストランドビーストが日本にやってきた。

二子玉川駅にできたショッピングセンターのオープニングイベントに登場するというから、多摩川の河川敷やフィールドで動かすものと思っていた。

違った。

あくまでショッピングセンターの敷地内の話。ガッカリ。

玉川高島屋から、モールづたいに10体。基本は静体展示。プラスチックのチューブで骨組みした構造は、間近に見られる。

つまり、剥製だ。本来は、風を受けて動く。風をエネルギーに変えて大地を移動する骨格に、素朴で静かに興奮する。

作者テオ・ヤンセンが、この「生物」を作り始めて25年経った。

初期のビーストは、名前をAnimarisアニマリス・カレンス・ヴェントーサ。Currens Ventosaはラテン語で「風で走る」。

強風時に飛ばされないよう、自らの頭部で杭を打つRectusレクタス。尾を振って喜ぶPlaudents Veraプラウデンツ・ヴェーラ。2体が結合したSiamesisシアメシス。

動いてなんぼだから、かえすがえすも残念だ。

地球の原始、自然に順応する生命、知恵の物理。

野外彫刻で大気に拮抗できるアートは、まだストランドビーストしか知らない。