レオン・ラ・カム シルヴァン・ショメ

シルヴァン・ショメの名前は覚えてなくても、アニメ映画「ベルヴィル・ランデブー」「イリュージョニスト」を見たことがある人はいるでしょう。

フランスアニメはアメリカものと違って、シックな色使いをする。輪郭も自信なげだ。造形的でなく、描写的。

「レオン・ラ・カム」エンターブレイン発行。発売は角川グループパブリッシングとある。

作/シルヴァン・ショメ、画/ニコラ・クレシー。美術学校の同級生が作った漫画。

「レオン・ラ・カム」は、「麻薬のレオン」という意味。

3代続く化粧品会社のウー=ヴァルディウーグ。自動車のシトロエン、炭酸水のペリエと同じナショナルブランドになった。

創業者が、100歳をむかえようとするレオン。

やり手の2代目が経営メソッドを導入し、会社を大いに発展させた。ところが最近、業績に陰りがでてきた。起死回生を我が子に託す。

ところが、まかされた3代目ジュジュは無垢というか臆病というかグズというか。ベッドに入り、左右で指人形を操って創作芝居に没入するような性格。

そこに「麻薬のレオン」登場。カツを入れる。

カツの方向が過激で病的で強引。マーケティングなんかシャラクセイ、という方向。ジュジュは、感化されてとんでもないアイデアを考えた。

・僕がシンデレラで、おじいちゃんは魔法使い

初代と3代目のプレゼンテーションに、怒髪天を突く2代目。

ストーリーは爆発する。

ベルヴィル・ランデブー」「イリュージョニスト」と同じで、物語より絵。絵を描くために物語があるか、というくらい。

訳者の原正人さんのあとがきでは、「レオン・ラ・カム」に続きがあるらしい。さらに奇妙らしいよ。