EUフィルムデーズ フィルムセンター
最高賞は、カンヌがパルム・ドール(金の棕櫚) ベルリンは金熊、ベネチアは金獅子。一等賞は、とにかくゴールドなのだ。
今年のカンヌを振り返ると、社会派の受賞が目立ったらしい。
スリランカ内戦と難民密航船「ディーパン」、アウシュビッッツで働く男「サウルの息子」。就職できない「マーケットの法則」、介護の実態「クロニック」など。
社会派映画は、ベルリンの特徴だったはず。もはやヨーロッパ全体が閉塞しているのだろう。
先週、テレビ「世界のドキュメンタリー」はヨーロッパを特集していた。
高い失業率、税金改革、社会保障の打ち切り、移民、シャッター商店街。
そこに極左と極右政党の伸長がある。国際官僚が仕切ったもうけの仕組み。
最低賃金をめぐり、東欧から北欧・西欧へ人材派遣という名の奴隷貿易。貿易じゃないんだ、EU域内は単一の労働市場だから。
待っているのは危険な現場、低賃金、報酬未払いの3点セット。いや、期間限定の短期雇用で4点セット。
故郷に帰って残ったのは「ケガと借金だけ」。
ドイツとフランス以外は、EU脱退を考えない国はない。去るも地獄、残るも地獄。
「EUフィルムデーズ」が5月29日から京橋のフィルムセンターで始まる。
エストニア、ラトビア、リトアリア。それにアイルランド、フィンランド、ポルトガル、ポーランド、ハンガリー、クロアチア、ブルガリアあたりの映画が見たい。
どうせ映画祭をやるなら、黄金のヘルメット賞を創設したほうがいい。