スペインのチェロ 鈴木優人&同級生

台風6号が来襲した夜、コンサートに出掛けた。

「スペインのチェロ ボッケリーニと18世紀の巨匠たち」。ホセチュ・オブレゴンのチェロ。

ズワ〜 クリュ バッバッ ボワッ ギュワ。

チェロの音は内臓に響くから好きだ。目の前3mでやられると、体全体に残響がかぶさる。

遠目に優雅だが、直近で見るとチカラ技だとわかる。みるみる額から汗が吹き出ている。

セルバンテス文化センターのホールは、小振りだからマイクで音を拾わない。ナマ音。

パガネッリ、チュポール、スプリアー二、そしてボッケリーニ。ったって、オール知らない。が、ファドの源流を感じた。スペイン版「竹田の子守唄」っぽいのもあった。

鈴木優人さんが通訳する。

「スペインのチェロは、イタリアの影響を受けてました」とオブレゴン説明。

見ると、チェロを膝ではさんでいる。

「エンドピンがありません。弦も金属ではなく、羊の腸を使ってます。弓も違う」。そういえば、一緒に演奏している鈴木優人さんは、ピアノの原型チェンバロ

古楽なのである。「竹田の子守唄」も古謡。音は、とうの昔からグローバル。

演奏前に毎回調弦するオブレゴン。古楽器は、湿気の影響を受けること大なのだった。

それぞれ独奏もやる。チェンバロのみの「猫のフーガ」は、いかにも鍵盤を飛び跳ねる猫だった。

オランダ生まれの鈴木優人さんは、オブレゴンと学校の同級生。なんだかうれしい。