漱石の思い出 夏目鏡子

「『らかれそ』読んでる?」と、ボケをかまされた。僕と同じ朝日新聞を読んでるデザイナーから。

「それから」連載を熟読中。

ペロっと読めちゃうから、ついでに「漱石の思い出」文春文庫刊に手が出る。かみさんの夏目鏡子・述、松岡譲・筆録。

文庫で460ページある。これだけ語るのに、メモなり記録なりが無くてできるだろうか? 筆録にあたり、多大な質問を投げたか?

いずれにしても、文豪の裏側がわかる。創作のヒント、日常の行動、性格、病気、収入と支出、泥棒被害、弟子たち。

鏡子悪妻伝説は、弟子たちが広めたものらしい。

ところで「家族という病」幻冬社新書刊が売れてるらしい。下重暁子さんの本。

家族は一筋縄でいかない。病、幻覚、勘違いを説く。本に対して酷評が大量に寄せられてるんだって。

「『家族』を気持ち悪いと形容するのが理解しがたい」。「家族の否定は、道徳・社会・国の否定につながります」。

こういう正義は、知能の低さを露呈しているようなもの。想像力が無い。パサパサの人格。それこそ「親の顔が見たい」。

すったもんだ、が人生だ。文豪という呼称は、家族には通じない。