鎌倉大仏 泉秀樹

GWに鎌倉へ、の人も多いだろう。

鎌倉好きは、海派と山派に分かれる。海派は音楽・スポーツ好きで明るい。山派は歴史・文学好きではかなげ。

両者ミックスされて、「鎌倉に行く」という口吻には、どこかシックなセンス自慢がただよう。

江戸時代、イギリス東インド会社の船隊が長崎県・平戸に上陸した。貿易を望む国王の国書を持っていた司令官セーリス。

静岡県で家康に謁見し、次いで二代将軍秀忠に会うため江戸に向かう。途中、鎌倉で大仏に遭遇。

「銅でつくり、内部は空虚だが、厚みはしっかりしている・・・・予ら一向のある者は、その中に入って咳声をしたり、大声をしたりしたが、それが恐ろしく大きな響きをした」。

空洞に入って音をたてたくなるのは、人間の習性か。これがヨーロッパ人が鎌倉大仏を見た最初の記録。

誰が建てたの?

大仏だから、勧進帳を回して浄財を集めた。庶民の寄付金というのは、心意気があるけど額が少ないのは今と同じ。

大部分は、鎌倉幕府の中枢・北条一族が出した。権力のランドマークだったのだろう。

GWに行くあてのない身。

全国信用金庫協会発行の広報誌「楽しいわが家」を読んで過ごすなんて、シックだぜ。