名前を生きられなかった人々に

地震から1週間、黙祷。テレビでは全国各地から世界からエールを送る報道が盛ん。人の美徳は頼もしく、うれしく、眠っている気の元を呼び覚ますしますね。

イタリア映画の「みんな元気」は、普通のお父さんが巣立っていった子供を訪ねる物語。現実は、ことごとく「あってほしい理想」を裏切る。そしてお父さんは、田舎にもどってお墓に眠る妻に「みんな元気だったよ」とささやくものでした。

この家族の物語を、どれだけ多くの人が想像上で体験していることでしょう。

宮本常一の「忘れられた日本人」も、思い出しました。一人一人には、名前があることが改めてよみがえる。

僕だっち