なんでもできる真空成形

電車に乗っていると、いろいろな広告があって楽しいでしょ。紙で印刷されたものがほとんどですが、商品がポッコリ盛り上がった広告を見たこともあるでしょ?思わず、目が行ってしまうヤツ。

あったんですよ、岩本町に、それを作っている会社が。学校の地元案内11社目は株式会社パックマンショールーム

「これのこと、何て言うんですか?」

「立体看板です」と教えてくれたのは、代表取締役の川島さん。



そういえば、飲みものの自動販売機は正面にいろいろなボトルが並んでいて、あれが立体看板でした。「10年ほど前から、現物のボトルから変わっていきましたね」と川島さん。

まず、ペットシートという平面の板に印刷をして、真空成形するのが基本的な流れ。

とはいえ、平面を半立体にするだけでなく、写真やイラストやロゴに合わせて凸凹をつけるのですから、想像するだけで精密さが要求される。

コンピュータ制御のCAD・CAMを使うのはもちろんですが、1回の成形で終わるはずはなく、ゆがみを修正するために3〜4回は工程を繰り返すらしい。そりゃ、そうでしょうねぇ。

一つ、ラーメンの立体看板を見せてもらいました。スープ、麺、メンマ、のりが混ざった表面の写真に、凸凹をジャスト・フィットさせる技術。僕は凝視して、まんじりともしませんでした。

制作可能な面積はA2サイズ程度。盛り上げるのは10センチほどまで対応できるそうです。




パックマンの本社は岐阜県・関市。刃物が地場産業で有名な所。

「ドラッグストアで売られているカミソリのパッケージなど、商品のカタチに合わせて透明のカバーが付いてますね。ああいう梱包資材会社が関市にはあるんです」。なるほど。

ショールームには、コンビニでよく見かける棚の上のディスプレイや、病院で使われる人体の筋肉を説明するパネル、メモを貼るマグネットに変わる万能クリップなどのノベルティ、といろいろ見せてもらいました。

イベント会場で、ステージのデコレーションやPOPのディスプレイに使ったり、アーティストの立体看板をアメニティグッズにして販売してもそうとう売れるんじゃないでしょうかねぇ。