ゲンス大兄、天国で20年

僕は、もてる男が好きです。それも、ハンサム系よりもジャガイモ系がいい。アラン・ドロンより、ジャン・ポール・ベルモンドといえば、わかりやすいでしょうか?

ジャガ系の男がつきあう女は、なぜかボーイッシュ。そうです、僕はボーイッシュが好きなんです。ジーン・セバーグといえば、わかりやすいでしょうか?

さて、セルジュ・ゲンスブール兄さんもジャガ系の代表で、もてました。邦題「ゲンスブールと女たち」と、身も蓋もないタイトルの映画。すでに、天国生活20周年とは知らなかったなぁ。あいかわらず、煙草と酒とピアノですか? いいなぁ。



映画はアニメーションから始まりました。兄さん、アニメになって空を飛び、街をさまよい、海に潜る。ちょっと、うつむき顔のくわえ煙草で。あまりに似ているので、クスッと笑う。

そして、少年時代。監督は、少年時代の彼が海岸を歩くシーンを、何回もはさみます。ユダヤの出自を強調する意図でしょうか。でも、深刻にはしません。

出てくる名花は、ジュリエット・グレコ フランス・ギャル ブリジット・バルドー ジェーン・バーキンなど。
映画は、彼の生活を描いているのでなく、音楽を描く。だから、ウキウキ。

恋は壊れる。

そして、「悪い男」とわかっていながら、夢中になる恋人が、またできる。兄さんも懲りずに曲を提供。ますます2人は燃える。僕は、改めて彼のCDを聴きなおしました。どれも、その時の彼女に熱中しているからできた曲だなぁと。フランス語って、どうしてこんなに蠱惑的なの?



それにしてもと、思う。兄さんは、とうの昔に天国に昇りましたが、恋人達は現世でピンピン。いやぁ「すべての男は消耗品である」。