開業前なので、まだ落ち着いてました
古文って、どこで切って読むのかわからないので、高校時代はとても苦手でした。
朗読CDで聴くようになり、大意がわかるようになると、読むのも苦にならない。
と、きれいに言いたい。が、やはり。現代語訳が併記されているとそちらを優先して読み、「それを原文では何て書いてるの?」と後追いになる。
「黄表紙名作選 『むだ』と『うがち』の江戸絵本」小池正胤校注。
「むだ」は、楽しい。「うがち」誇張・大げさは、さらに愉快でしょ?
中の一篇「金々先生栄花夢(きんきんせんせい えいがのゆめ)」。ナンセンス絵本の代表作。
「恋川春町からして、ペンネームでしょ」と、いくらボンクラ高校生でも、それくらいはわかる。
彼は、駿河小島藩の武士でした。江戸住みながら、安サラリーなので、団扇絵を描くバイトをしていた倉橋格殿。
これが、空前のベストセラー絵本作家に出世するとは。
「金々先生」は、自分がどれだけ女の子にもてるか妄想する話。タイトルの「先生」からして、すでに、からかいが始まってます。
片田舎の金村屋金兵衛、思うままに世間の楽しみをやり尽くそうと江戸に上る。そこで、目黒不動尊にお詣りをし、名物の粟餅を食べようと、お店に入る。
奥座敷に通され、しばらく待っていると、旅の疲れから思いがけず眠ってしまった。
すると、裃(かみしも)を着た年配の男が、小僧・手代・番頭を引き連れてやって来た。
ここからが、野暮で不細工なのに、他人の冷笑に気付かない「金々先生」の本領発揮。
吉原・深川・品川で遊ぶ。これ、江戸時代の遊里の格式順で、段々下がっていく。
図書館に返却したついでに、新着棚を見る。
東京スカイツリーの本がありました。
ということは、本屋なら、入り口あたりに関連本が山積みされているのではないか?
最寄り駅はたくさんあります。地下鉄・半蔵門線も乗り換えなしで「押上駅」に行けるとあったので、そのまま直行。
開業まで1ヶ月、下町の区も合同で観光マップを作っているので、さぞや現地は盛り上がっているだろうな。
水族館やプラネタリウムができる。足下を流れる北十間川の整備もして遊覧船に乗れる。
東京タワーの優美さに比べて、3本足ながら遠目には一本棒のような構造も、実際に足下はどうなっているのだろうと、気になる。
数々建築現場に出かけます。端から見ていると、掘り起こして杭を入れる工事を延々やってる印象。柱と梁が組み上がると、アッという間にハイ完成。
スカイツリーの杭は、「地中連続壁杭」というヤツで深さ50m。「連続壁」は水平の揺れに踏ん張る。
そして、3本足には、それぞれ40個のナックルウォールという突起が付いている。スポンと抜けないから上下動に強い構造。
人出は、想像していたより少ない。見物客目当てに食べ物屋・おみやげ屋の出店も見かけない。
意外だ。
北十間川の、ほんと隣に屹立している。川に沿って、長方形の敷地に施設がレイアウトされている。
周囲を一周する。
東武伊勢崎線「東京スカイツリー駅」で案内板を持ったお兄さんは「まだ、川の護岸を整備中なんです」。
人だかりあり。魚眼レンズを下からあおり、まるで、人がツリーに寄りかかったり、つまんだりしている写真を撮っている。訊けば、タダでやっているという。
地図板に「森鴎外住居跡」。ここに住んでたの? 文京区に住む前でしょうか。
「地元の物件を熟知する実直な不動産業者です。本年3月にテレビで放送されました」とアピールしている(有)星紀商事の店頭。家賃相場は、上がったのでしょうかね?
「浅草通り」と「四つ目通り」の交差点に出る。「防犯センター」に各種パンフレットがそろってました。
「混雑は、開業してからでしょう」。7月10日までは予約制で、当日券は販売しないらしい。すごいね。
「すみまるくん・すみりんちゃん」をもらう。墨田区内循環バスのルート図です。
・南部ルート 錦糸町・両国をまわる
・北西ルート 向島・鐘ケ淵
・北東ルート 立花・八広
永井荷風散人が、日和下駄で徘徊した界隈。これから足を踏み入れたいねぇ。彼は、「金々先生栄花夢」くらい、もちろん原文でスラスラ読めたでしょう。