上高地漫歩記・その3は泊まる

「70歳、マンU指揮し27季目」と、ファーガソン監督の記事を読みました。

1986年に、サッカー名門クラブの再建をまかされて以来、プレミアリーグ12度、欧州CL2度、イングランド協会杯5度優勝に導いた監督。

チームへの貢献と、ハードワークがモットー。試合では、赤ら顔でいつもガムを噛んでる。手抜きを許さぬ、厳格おやじの印象。

香川やファンペルシーを補強したのも、チームで競争心をあおって、緊張感をもたらすため。レアル・マドリードモウリーニョ監督と双璧。

って、我らがザックもうらやましがるだろう。

1週間前、16日夜の試合を見ました? 対ブラジル戦。思い出したくない? そうでしょうねぇ。

フランス「レ・ブルー」を完封したので、ブラジル「セレソン」へも期待充分でした。でも、0−4の完敗。前半、前掛かりの布陣があだとなって、2点先取される。シンプルなミドルシュートと、蛇行気味のネイマールのPK。

でも、まだ取り返せると後半に期待していた。早々に、またネイマールに決められる。ブラジルは、ランキング14位というけど、1位のスペインとやっても互角じゃないか?

4点目は、カカ。

自由で、柔らかくて、緩急があって、止められない。同じスポーツをやってると思えない。W杯過去2回連続でベスト8どまりのブラジル、2年後の自国開催では優勝大本命まちがいなし。

ムシャクシャして、熱い風呂に入る。

ところは、五千尺ロッジの風呂でした。

上高地は標高1500m。尺貫法で言いなおせば、5000尺に相当するそうです。

もてなしもいい、夜朝食も申し分なし。上高地の天然水も飲み放題。夜には、夜の山間歩きも実施する。部屋だけが不満。

ベッドの幅がありますね? それにプラス1mしかない部屋って想像できますか? 当方、やせてます。やせた体を、さらにウナギのようにしてテレビでサッカー見てました。

今回は、上高地の宿泊案内。

梓川に沿って、基本右岸にホテルが並んでます。

左岸にあるのが、赤い屋根の上高地帝国ホテル。有名でしょ? 冬期は営業しないって。「ふん、金持ちしか相手にしないから、夏のリゾート期間だけ営業するんだ」と思い込んでました。

違うの、全ホテルが営業しないの。11月上旬で閉山するので。

ちなみに、ツインで3万円前後。夕食は、1〜1.5万円。朝食は3000円。食事は、さすがに帝国ホテルですが、それとて、ほかで食べれば宿泊料だけ。

というのも、他のホテルだって1人食事付きとはいえ1万円以上しますから、帝国が飛び抜けて高額なわけじゃない。

調べた限りでは、西糸屋山荘だけが1万円を切ってました。

河童橋を中心に、下流穂高橋・田代橋、上流の明神橋まで、泊まるところは点在してます。

明神館は、宿泊プラス食事で1万円前後と、まず平均。壁に架かったメニューを眺める。

コーヒー450円。おにぎり(鮭2個)500円。天ぷらそば900円。岩魚定食1500円。

やっぱり山岳値段なのは、しょうがない。

外気は10度。石油ストーブが、青い炎を囲んで暖をとる一行あり。

Uターンして、小梨平キャンプ場に向かう。この野営場は、とにかく設備が充実している。

ケビン・バンガローが並ぶ。炊飯やバーベキュー設備もある。トイレもある。浴場もある。食堂・売店がある。

これに、ハインツ・ホリガーがあれば極楽。

洗濯バサミ10円。石けん30円。食器用洗剤50円。アウトドア暮らしを満喫するのに、いちいち持ち込まなくても、生活に困らないようになっているのだ。

画家の渡辺勝夫さんがネグラを構える、テントが張れるサイトでもあります。

1夜、700円。

「これだけ、設備が充実しているサイトはあまり無いですね」と、これは昨日着て今日帰るキャンパー。

訊きました、道具のこと。

一人用テントと、シュラフで5万円。「1回買えば20年以上使えますから、元をとっておつりがきます」。聞くほどに、最近のアウトドア用品は機能が優れているのに驚く。

「暖房はどうするんですか?」

「ろうそくの火で、充分暖かい」。そういうものなんだね。ますます渡辺勝夫さんを真似て、山で絵を描きたくなってきた。