とんでもない陶芸を目指す「初級コース」

ベセッドさん、相変わらず日曜日の陶芸教室には通ってますか?

区がやっている教室で知り合いました。募集のタテマエ上は、「入門コース」なんです。実情は、日曜に通える人なら、経験者でもOK。

むしろ、僕と似たような入門者は少数で、圧倒的にこの道何年、たまに10年を超える人もいる教室です。

だから、それぞれまちまちに我が道をいって、作陶してました。

彼は来日7年のフランス人。奥さんは日本人。最近、赤ちゃんが生まれて、「ご飯やるのも、お風呂入れるのも、楽しくてしょうがない」と、日本語でしゃべれるくらい上機嫌な人。

ワインの輸入を仕事にしてます。

友だちが益子焼を趣味にしていて、自分も益子に実際行ってみて、陶芸に目覚める。

「パリ育ちだから、それまで陶芸を知らなかった」

「えっ、南のプロバンスあたりじゃ、陶芸があるんじゃないの?」

「確かに。でも、日本の陶器を見て、グッときました」。

ゆくゆくは、レストランを持ちたい彼。その時に、自分が作った食器でお客を迎えたい。いい夢だねぇ。

作品を見ると、すこぶる繊細な柄をつける。日本の伝統柄のシンプルさが好みなのだ。

僕はといえば、「入門コース」から「初級コース」に出世。

もちろん、日曜日に「初級コース」を続けてもよかったのです。でも、一応それぞれのコースに先生がいるので、違う先生に習いたかったわけ。

で、10月6日から土曜日に移動。想像したとおり、先生によって、やりかたが違う。得手も違う。教え方も違う。

やっていくうちに、だんだんわかってきました。

陶芸は、道具作りで遊べて、作って遊べて、色づけで遊べて、焼いて遊べる。(秘かに、完成品を庭石に叩き付けて「これは、違う!」と叫ぶ遊びも検討中)。

陶芸をやる方なら、ご存知でしょう。

シンリュウ株式会社。窯・機材・材料の専門会社。名前を教室で聞いて、カタログを申し込む。

いや、窯だけで電気・灯油・ガスと3種類を64ページで解説。登り窯のようなものも、オーダーメイドで設計する。

材料が、これまたすごい。

まず、粘土。教室では、白土と赤土しか使いません。ところが、目が粗い・細かいとか、コシの有無、耐熱とか磁器用の土とか○○焼き用の土とか、無限大にある。

釉薬が、これまた輪をかけて種類がある。

教室では12種類ほど用意されてます。それだけでも、白土・赤土で発色が違っていて覚えきれないのに、宇宙的な数がある。

こりゃ、先人も現代人も夢中にさせるよねぇ。破綻するほどの奥深さを垣間みる。

「道具は、どんどん自作していいんです」。

これは、入門でも初級でも先生が言う。作陶を続けていくうちに、「こういう道具があれば」と、誰もがわかってくるのでしょう。

カタログには、教室で用意してある数の何倍も種類がある。

みんな揃えたい、とは思いません。自作すればいいんですから。

ヘラ、別名カンナも、壊れた傘を拾って準備怠りなし。骨をたたいて平たくし、平面曲面や、削り取る大小に合わせた道具を自作する予定。

生地につけるパターンも、いろいろ考案中。

雑巾・タオル・麻といった繊維類から、金属・岩石・草木に押し付けてみたらどうなるか? とか。馬事公苑が近い我が家の前の道路は、馬が凹面で彫られたタイルが敷かれてます。これを型でとったら、おもしろかろうとか。

その前に、「入門コース」時に作った蚊遣りブタが、やっと焼き上がる。

実際に、蚊取り線香を入れてみる。あいやぁ、はみ出す。幅はOKでした。胴体の長さが足りない。意外と直径があるんだね。

Esperanza Spalding を聴く。

収拾つかないくらい作りたいものがあるから、ま、これはこれでいいか。