三国さんのパンツ姿を見たかった
PAPASの広告は、中村嘉葎雄さんや三国連太郎さんがやってました。
シブ目のキャラが、カジュアルをはおるミスマッチがいい。憧れて、PAPASよく買いました。
その三国連太郎さん。死後2ヶ月経って、惜別譜がだいたい出そろいました。
迫力、型破り、不器用、窒息、真剣、思い入れ、土着、求道。彼ほど、人間の真実を演じて真実味を感じさせた俳優は少ない。
静岡県沼津が終焉の地。そこを流れる狩野川を眺め、散歩した。最後は、出生地に戻って来たんですね。正確には伊豆半島ですが。
「『芸能と差別』の深層」ちくま文庫刊。
民俗学者の沖浦和光さんとの対談集。闇深い実人生を投影した演技のなりたちがよくわかる本でした。
自分が除け者にされる理不尽さが、民俗学や芸能史の研究に拍車がかかるのがわかる。たぶん、このバックグラウンドがなければ、シナリオを真っ黒になるほど読まなかったでしょう。
吉田豪さんが語る、連太郎語録。
・自信のある俳優はダメ
これは、仕事人すべてに言えること。
西田敏行さんが語る、連太郎。
・パンツをはいたまま、風呂に入ってきた。
性的コンプレックスがあった。
「釣りバカ出演は、気分転換ですか?」と記者会見で問われた時は、猛烈に怒った。ズボシだからね、これ。緒形拳が「なんで、釣りバカに出演するんですか?」と質問を投げた時は、黙ってしまった。
彷徨の果て、かみさんの友子さんのために老骨をきしませて稼ぐ。本名・佐藤政男さんは美しい。