デザイナーは、朗読活動もやる
角川春樹事務所が出しているPR誌「ランティエ」を、初めて読む。
池田久輝デビュー作「晩夏光」が、第5回角川春樹小説賞を受賞したので、本人が今野敏さんと対談してた。
香港が舞台のハードボイルド。
観光客相手の「スリ」、盗品を売りさばく「露店」、盗品を持ち主に返して謝礼を受ける「回収」の3グループが、渦巻く闇にうごめく。
って、なんだかお約束のストーリーだな。ハードボイルドってまだ「可能」なんだろうかと、改めて考える。
推理小説は「可能」か、恋愛小説は「可能」か、と同じニュアンス。
返還後に香港に行ったことはない。でも、九龍城もなくなり妖しくないんじゃないだろうか。脂ぎってない、普通の町。
先輩作家の今野さんは、ハードボイルを「ジャンルじゃなくて、たたずまい」だと言う。分野でなく、態度。なるほど、それなら「可能」かもしれない。
自分も他人も裏切らない、という臭いが出ればハードボイルドになる。このニーズは、けっこうあるし。
うれしかったのは、池田久輝さんの本職がデザイナーということ。ホームページやフライヤーを作ってる。彼が身近になった。
さらにおもしろかったのは、朗読ユニットを組んで活動してること。「グラス・マーケッツ」をのぞいたら、脚本を担当してた。
僕も前から朗読に関心があった。読み手も数人そろえ、音楽も担当者がいるから本格的だ。
どなたか、一緒にやりませんか?