ドライでウェットな吸血鬼

クリスマスの思い出に、吸血鬼どうでしょう?

血で乾杯する。血液アイスをなめる。「オンリー・ラバーズ・レフト・アライブ」を見る。ジム・ジャームッシュ監督だから、ホラー映画ではない。

監督は音楽をやる。The Mystery of Heaven。映画で音楽を担当したバン・ヴィセムと普段から活動してた。

この土台があって、映画ができたんだろう。音楽やってる自分が吸血鬼になったら・・・。

主人公の男・アダムはデトロイトに住むインディーズのミュージシャン。エンスーなファンがいて、彼のために、伝説となった楽器を調達してくる。

言われるままに、木製の弾丸も持って来る。

人をとりこにする悪魔的なキャラが、実は吸血鬼だったという伏線。

恋人・イブはモロッコに住んでいて、彼女も塑像的な顔立ちで尋常じゃない。同じく、吸血鬼だから。女優のティルダ・スウィントン、はまり役。

全編、夜シーン。

デトロイト市は、夜景が破産を強調してる。廃墟、冷たい空気、暗がりが美しい。

音の妖しさがかぶって、ジャームッシュ全開。「ストレンジャー・ザン・パラダイス」というタイトルでもおかしくない。