キミアキさんアレンジ兜

落語によく出てくる場所、柳橋。「舩徳」の舞台。

大店の若旦那の徳さん。家の商売に身が入らない。どうにも、船頭のほうが様子がいいし、娘にもてそうだから。そこで、柳橋の船宿に無理を承知でもぐりこむ。

僕の友だちにも、柳橋の若旦那がいる。クルーザーも持ってる。

商売は、船頭じゃなくて人形だ。春はひな人形、五月人形。夏になると、花火を売る。長谷川商店のキミアキさん。20年来のつきあい。

ちゃんとした物は、ちゃんとした店で買いたいだろ。孫のために五月人形を買いに出る。

高いものは、きりがない。とはいえ、安けりゃいいってもんでもないしな。判断できない。

いろいろ説明してくれた。材質、兜のつくり、時代の流行。半分も理解できない。とにかく、できるだけシンプルなやつがいい。

兜本体だけじゃない。台、弓と刀、後ろの屏風。誰でも迷うと思う。ディスプレイされているものを、いろいろアレンジして、好みのセットにしてくれた。

「小桜黄返威兜」。読み方は「こざくら きがえし おどしかぶと」。甲冑師の雄山作だって。

なんとなく、ありがたい。決まれば、立派に見えるから不思議だ。うれしい。

配送は、28日だという。大安に孫に届く。

Alessandro Scala Quintet