祭りが終われば次も祭り
ハロウィンが終わったら、銀座はクリスマスだってさ。
無料で映画が見られるエルメスの正式名称は、銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ。数年前は毎月通った。
毎年テーマが変わって、今年は「メタモルフォーズ 変身」。10〜12月は短篇オムニバスのラインナップ。
僕が見たのは「都市は物語る」5本シリーズだった。
1910年のモノクロニュース映画「セーヌ川の氾濫」。水が引いて後片付けも大変だろうが、畳じゃないから掃除も楽だろ。
「シーサイドホテル」は、海辺に残された廃墟ホテル。「円錐の交差」は、ポンピドーセンター建設のために取り壊される17世紀のビル群。共に、ロケ地のように美しい。
「NY、失われた文明」は、未来の人類学者が出会う日常生活のアイロニー。
「聖アントニオの朝」は、祭りが明けた虚脱と焦燥がテーマで、美空ひばりの「お祭りマンボ」を思い出す。
パンフを見ると、9月までのプログラムが載っていた。
「ピナ・バウシュ 夢の教室」、「グッドバイ、レーニン」、ウッデイ・アレン監督で「カメレオンマン」。すでに見た。
見逃したのは「哀悼の石」。ギリシャの古都・エレウシスは、絶えず掘り返し埋め戻され、あたかも神話が眠る町のようだ。
さて、クリスマス。
エルメスでは15万円のスカーフも売ってるよ。女の顔は請求書、男の顔は領収書、と賢人のたまわく。
★旅する目玉 伊波二郎さんのイラスト
♪旅する鼓膜 島津亜矢 お祭りマンボ