ジャズが聴こえてくる金物たち

岩本町「新参派ショップ」と並行して紹介している「地元派企業」。その第3弾です。

毎日散歩していると、あちこちでSUGATSUNEあるいはスガツネ工業というロゴを見かけます。MOBILE SHOWROOMというクルマもあったので、謎が深まっていきました。 一体、何の会社?

普段は岩本町駅から学校まで、好んで路地を選んで歩きます。迷いたいために。おかげで、いつまでたっても東西南北の全体像が把握できない。

そこで、今回は大通りの「水天宮通り」を歩き始めたら、ありました、SUGATSUNEショールームが。建築金物 家具金物 機械部品の会社だったんです。

僕のパーツ偏愛癖はメラメラと前のめりになって、ドアを押し開く。あぁ、宝の山。僕in Wonderland。



建築見学は、散歩の一里塚。気になった物件を見つけると、クンクン匂いを嗅ぐ犬のようになってしまう。全体のプロポーションと、細部の凝視。

ここ10年ほどはコンピュータで構造計算をするので、いわゆる骨太の建築は少なくなりました。ファサードをふくめた壁と、内装の設備もあってなきがごとき透明感のしつらえ。

ガラスを多用し、それを金具が留める。SUGATSUNEの得意分野だったんですねぇ。知らなかったぁ。
金具の光は、どうにもジャズっぽく感じました。ここで短時間でもライブができたら楽しいだろうなぁ。

ハンドル フック ヒンジ ロック アングルと、僕宝(ぼくほう)を堪能しました。



ショールームを出て、町名由来のパネルがあったので熟読。岩本町は、もともと徳川家の御用鎧(よろい)師をしていた岩井家の屋敷があったらしいのです。神田金物通りは、そのなごり。すると、SUGATSUNEが界隈に散在するのも、そのなごりと合点できました。