ボタンと焼菓子が似合う夫妻の話

学校の近所の会社・店舗を紹介するのも10件目になりました。当初は「地元派企業」と「新参派店舗」に分けていましたが、これからは「地元派店舗」も「新参派企業」もありそうなので、これからは、シンプルに「学校地元案内」にします。



さて、僕は映画の周防正行監督が好きです。現在「ダンシング・チャップリン」が公開中。

「Shall we ダンス」「シコふんじゃった」「それでもボクはやってない」名作でした。彼は近未来の日本の男を象徴しているように、いつも感じるのです。

優しくて、おとなしくて、酒もクルマも海外旅行も「別に」と言うような。印象ですから、そうじゃなくても怒らないでね、監督。

さて通学前散歩で、最初にCO-(コー)というボタン屋さんを見つけた時は、なんとなく周防夫妻のような人がオーナーなんじゃないか?と踏んでました。



店内に入るとボタン バッグ 靴 アンティーク混ぜまぜの、いかにも、お客をなごませてくれる空気。

もともとアンティーク好きで、イギリス留学して、好きが確信に変わり、帰国してからは古いボタンの通販を始めてしまった小坂さん。岩本町の隣町、東神田に店舗を構えたのは2010年12月というから、ホヤホヤショップです。

「こういう店って、好きな女の子はたまらないでしょうね?」

「男の方も好きですよ」と、意外な修正。

もともとボタンは王侯・貴族・ブルジョワの権力の象徴だった、というのも意外な歴史学。勲章のデコレーションを省略化したのでしょうか? そして、女性はといえば、ワードローブをひもで結んでいたという。

100年以上前に作られたものをアンティーク・ボタンと呼び、1個何十万で取引され、それは現地ヨーロッパでも品薄とのこと。

もっとも、「若い人には1930年代のアールデコのボタンでも、充分アンティークですよ」と、それも、うなづける。アールデコだって高そうだなぁ。



ふと見ると、SUNDAY MARKETのフライヤー。

世田谷の三軒茶屋にあるklalaという北欧食器・雑貨店がプロデュースした、オーガニックの食品店が集うマーケットが5月1日に開かれるという。そこにCO-さんも出店。

「あまり商売ショーバイしない、ちっちゃな市場テイスト」は、これまた周防正行夫妻のようなお客が、よくなごんでますよねぇ。

似合うんだな、これが。