森林浴なら、なめとこ山
なんだか、暑苦しいですねぇ。皆さん、元気ですか? 熱中症になってません? カーテンを通して入っている光が強くて、往生してます。
「あそこと、あそこと、あそこ」に出掛けたいけど、内科医の卍脚先生から「安静に」と言われているので、家でおとなしくしてます。明日、再診なので。
暑い → 涼みたい → 森林の日陰に行きたい → 「そうだ! 輝子さんのCD『なめとこ山の熊』を聴こう!」。
皆さんは、文学の朗読CDって聴いたことがあります? いい年齢したオトナはまずやらないですよねぇ。僕も聴いたことありませんでした、長岡輝子さんの朗読を聴くまでは。
彼女のCD「宮沢賢治 セロ弾きのゴーシュ」を5年ほど前に初めて聴いた時は、恥ずかしながら、こういう豊穣な風土を経験しないで成長してしまった実感が、まざまざと蘇りました。
森林、田園、里山、河川 = 天の予兆、方言、穫れたて作物、言い伝え。これらが、すべて未体験。
宮沢賢治というのも、どことなく「青少年育成のための作家風だから避けたい」気分があって未経験。あの、銀河鉄道の夜、風の又三郎、雨ニモマケズすら、一切読んでませんでした。
輝子さんは語り部でした。セラピストでした。なにより、肉親でした。そして、宮沢賢治の高みが、初めてわかりましたね。
注文の多い料理店、猫の事務所、鹿踊りのはじまり、月夜のでんしんばしら、と皆聴きました。
そして、久しぶりに今日聴いた、これ。「なめとこ山の熊のことなら、おもしろい」と始まる朗読。書けそうで書けない一行目でしょ?
熊と農民の物語。殺されてあげる熊と、殺してきた農民が漆黒の空に浮かぶシルエットが美しい。
なお、CDは売ってます。図書館でも借りられます。動画にはなってません。