若旦那は船もライブも
落語を愛してる方なら「四万六千日」はご存知ですね? シマンロクセンニチと読みます。昔も、僕同様に面倒くさがり屋はいて、浅草観音に1回お参りをすると46000回分したことになる、というありがたい習慣。
「船徳」は、柳橋から浅草まで、船頭を前々からやりたくてしょうがない若旦那が、参詣客を船で送る落語です。
今年は、7月9・10日の「ほうづき市」が四万六千日。僕は5日に浅草訪問しました。
浅草寺伝法院で開催された「薩摩琵琶と三味線の演奏会」。伝法院は、普段入れません。かねがね、内を見たいと願っていたので、チャンス到来でした。
噺は脇にそれますが、東京藝術大学で琴や三味線を学べるって、知ってました? 音楽学部・邦楽科ってヤツ。
その卒業生に初めて出会って以来、「そういえば、落語には出囃子だけでなく、噺の中で長唄や小唄や義太夫が出てくるなぁ」と意識するようになったのです。
会場は伝法院の書院でした。すばらしい、しつらえ。ゆがみのあるガラスが入った戸、縦1畳分の廊下、床の間付き45畳、欄間の細工。
そして、庭園。夏の日射しを受けて緑あざやか。小堀遠州宗匠が築庭したという回遊式です。
あ、すいません。肝心なこと忘れてました。奏者は、薩摩琵琶の友吉鶴心さんと、三味線・胡弓の山尾摩耶さん。
庭園を借景にして、両者ともほれぼれする演奏と唄。あぁ、日本人でよかったぁ。僕のような初心者には、解説も助かりました。
琵琶の字面。上の王2つは、弦の意味だそうです。比はバチを上から下へ弾く、巴は下から上へ弾くさま。
友吉鶴心さんの演目「愛宕山」は、落語ネタの愛宕山ではなく、講談の「寛永三馬術」でした。ストーリーはあらかじめ知っていたので、演奏と唄に体を預けることができました。
薩摩琵琶は武士が愛用したらしく、なるほど、それで忠義の武家モノを選曲したのでしょうか。
★やって来ました「音だっち」ツネツネ情報。しっとり邦楽から、元気いっぱい洋楽です。楽しい。
・本日のおすすめは、銀杏BOYZです。