普通じゃない家族が、普通?

NHKの「ファミリーストーリー」という番組は、連続してやっているものなのでしょうか? いい番組ですねぇ。僕が見たのは、浅野忠信さんの巻。

こういう言い方をすると本人には失礼ですが、「ミニシアター映画のご常連」。僕は、結果としてミニシアターで上映されるようなテイストの映画を見ることが多いので、なじみです。

引き算の個性。目立たないところが、かえって、「彼はどこにいるの?」と、気にさせる。



番組は、浅野忠信さんの祖父・祖母の物語。朝鮮戦争の時代、日本人と結婚したアメリカ兵は、日本で一人の娘に恵まれる。それが、忠信さんのお母さん。

ところが彼はアメリカに帰還し、新しい家庭を作る。どのような思いで、彼は日々を過ごしていたのでしょう。

「実は、日本には自分の妻と娘がいるんだ」と、言える相手が一人もいない人生。「ため息つけば、それですむ」境涯を想像してほしい。 遺品の財布の中から見つかった、幼い娘のボロボロの写真。

あぁ。日本だけでなく、アメリカの州にも「無縁坂」はあるんですねぇ。



感銘を強く受けたのは、先日見た「コーラスライン」の影響です。前回、渋谷Bunkamuraでの衝撃を再び。

今回は、ちょっと冷静に見ることができて「これは、家族の物語なのでは?」と感じていたのです。

オーディションを受ける若者達の、家族の物語。

振り付けのディレクターが、個性を知ろうと、一人一人に自己紹介を促す。これが、観客の琴線に触れる。

落ち目、田舎者、ゲイ、能力より見た目、失業・・・・。

幸せだったのは、小学校まで。中学、高校時代を迎えると、世の中がわかってきて、初めて葛藤に出会う。いたいけな年齢なのに。

「父は、しょうがなく母と結婚してあげたんだ」とか。「家には帰って来た。でも存在していなかった」とか。家庭の中にある、世の中。世の中に船出する若者を、「息子をよろしく」としか言えない家庭。

だから、フィナーレのoneの意味は深い。oneは、いろいろな意味にとれます。

僕の望みは、2倍の長さがほしいこと。もっと、浸っていたい。



★それでは「音だっち」ツネツネから。朝夜聴きます。

・本日のおすすめ、KT Tunstallです。朝聴くと、元気になれる曲。
http://www.youtube.com/watch?v=Wh2AEwOtFHA&feature=relmfu