敗戦記念日は宇宙に触れる

息子たちと家族が清里にクルマで来たので、駅の北側を回ることができました。なにしろ、僕の清里生活はどこへ行くのも徒歩。バスもありますが、本数は少ない。

急ぐ用事はないので不便は感じません。ですが、歩いて1時間の距離を、ものの5分で行けますから、やはり楽です。



標高1900mの「サンメドウス 清里ハイランドパーク」に登る。登山じゃありません、リフトです。4人がけで、300mの標高差を昇る。

途中「靴、帽子、携帯電話を落とさないように」と、何度もアナウンスがある。ペットのイヌを連れて乗るお客さんも多いので、もしかしたら、イヌを落とす人もいるだろなぁと、楽しい想像をする。

頂上の展望台からは、八ヶ岳の主峰赤岳が目の前、のはずですが、360度ガスがたちこめて、何も見えませんでした。

もちろん、南アルプスも富士山も秩父連峰も視界不良につき、断念。とはいえ晴天の日射しに咲くユリのきれいなこと。こういう時なんです、植物の教養がないので、心底愛でることができないと思うのは。

とはいえ、ユリってこんなに種類が多いんですねぇ。花弁に散らばる多彩な色のグラデーション。高山植物には可憐で楚々とした印象がありますが、ユリは鮮明です、華美です。

下山はリフトに乗らずに、歩く。花畑とは、このこと。

花に停まるトンボを見る。

「指先でトンボの目の前をクルクルやると、目を回して簡単につかまえられる」と、ほんとに次男坊はクルクルやる。

育て方を間違えました。

次男坊の嫁さんは、今回の清里休暇のために東京から捕虫網とカゴを持参。気合いの入れ方が違います。

来る早々「かぶと虫」と連呼していたので、リフト乗り場の係員に訊きました。「ここは標高が高いので、見かけません」。「じゃぁ、どこで?」「さぁ?」。

僕のいけない癖。地元人は、自然のことなら何でも熟知しているという思い込み。



下山して行った先が、国立天文台の野辺山宇宙電波研究所。ここも、よく紹介されてますね。JR鉄道の標高最高地点・野辺山と共に有名です。

ですが、例によって開館時間を確かめないで訪問したので、あえなく入り口で「もう閉館です」と一言。写真を一枚だけ撮らせて
くださいと、頼み込む。

そもそも何の施設なのか?  

地上から宇宙を見るには2つの方法がある。人間が見られるのは光だけ。もう1つは電波で、電波を観測して宇宙の動向を研究している、のだそうです。

世界最大45mの電波望遠鏡

それ以上の口径を求める場合は、数台のアンテナを東西南北に移動し、ケーブルでつなぎ、直径600m相当のアンテナに匹敵する解像力を得る。

アンテナを移動させるための巨大なレールが、南北と東西の2方向に走っている。

以上、守衛さんの施設解説。

ハワイの「すばる望遠鏡」、南米チリ・アンデス山中標高5000mに建設中の「ALMA望遠鏡」ともネットワークされる天文台

「お父さんがそれだけ詳しいなら、お子さんも宇宙博士ですね?」「いや、うちの子はサッパリで」。

子の育て方は、それぞれに間違える。