夜の楽しみは花火と怪談

短い夏休みを終えて、息子たちは帰京しました。昨夜はネグラの前で花火大会。東京じゃ、お気軽に花火ができません。

我が家は2代続いての花火好きですから、ここぞとばかり着火に忙しい。「もっと派手なヤツないの?」と、率先してさがしている自分。

いったい、いつ頃から東京はうるさくなったのでしょう? 

音がうるさいとか、煙が迷惑とか、火の後始末が不安だとか、燃えかすがゴミになるとか。

燃えかすや、道路に焼き付いた火薬のあとも、僕は季節を感じさせる元気一杯な詩情と感じるので、顰蹙の理由がわかりません。音や煙においておや。ゴミは、掃除すればすむこと。

僕が育った下町では、振り返れば、そもそも大人が気にしてませんでした。「勝手に、近所の子と遊んでなさい」とシンプルで。

東京・浅草橋で花火を商う二代目の、僕の友達。彼は立場上、そうとも言えないのでかわいそう。

ここ清里では、いろいろな同好会が合宿で訪れます。彼らも夜になると、楽しそうに花火遊びをやってます。通りかかると誘われるのでイソイソと参加。



さて、久闊を叙するメールが友達から届きました。

彼女はPC学校のクラスメートで、この度、ウェブの上級学校をめでたく卒業した「ウェブだっち」。将来が楽しみな人。

・8月2日のブログに書かれていた、「お兄さんの松本幸四郎さんより先に、中村吉右衛門さんが、人間国宝になりましたね?」の話、我が家でもかなり話題になりました。

・うちの祖母も歌舞伎大好きで新春歌舞伎を初め、毎年何回も観に行きます。彼女に言わせると、“幸四郎は声が悪い” のだそうで、飛び越し授与については『全く問題なし』 との独自の見解を力説しております。

・その姿を見て“このばぁさん元気だなぁ”と母と呆れていました。

おばあちゃんのように、僕も「あそこが、ここが」と言えるようになりたいなぁ。



今回、清里に来る直前に、新橋演舞場で「怪談乳房榎(ちぶさえのき)」を観ました。僕は三遊亭円生師匠、桂歌丸師匠の落語でなじんでました。

中村勘三郎さんの長男・勘太郎、次男・七之介兄弟と、獅童兄さん。

僕のランキングでは、七之介 → 獅童 → 勘太郎の順。知名度、期待度で真逆でした。勘太郎さんは、来年勘九郎を襲名するそうですが、そうとう稽古をつまないと、つらいものがありました。

四幕七場という演出も、ちょっと学芸会っぽくて、平板でせわしない。ストーリーを追い過ぎではないでしょうか?

絵の先生の妻を寝取り、先生を殺し、2人の間に生まれた子を殺す物語。悪徳の栄えを強調したいのに、勘太郎さんは「翻弄されずに、コメディにしちゃった」印象。

話芸と芝居は違います。ですが、一度円生師匠のCDを聴いてください。ほんとに、怪談なんです。