たぶん、天国はこんなとこ
清里のタクシーの運転手さんが言ってました。「東京に帰る人は、だいたい午後3時頃に出発します」。僕が帰るバスも3時過ぎに発車するので、それまでゆっくりできる。
早朝、近所を散歩して、白樺の木片を見つける。手頃な長さと太さのを5〜6本入手。次に来た時には、白樺で「鹿」のオブジェをこしらえようと。
午前に出掛けたのは、7月26日のブログで書いた露天の温泉。文字通りの朝湯。お客は僕だけ。ほぼ15mの長さがあるので、泳ぎましたよ。
さすがに手を掻くまではしません。
手足を伸ばし、体を一本の「棒」にして、前進。ぬる目のお湯なので、いつまでも遊べる。ふと湯面を見ると、アリが背泳ぎのスタイルで浮いていました。
晴渡った空と風。ああ、民謡の小原庄助さんの気持ちがわかる。
地元では、主要なスポットを巡る「清里ピクニックバス」が3コース運行しています。どれも、1.5時間に1本程度。次を予定していたので、そこそこ過ごして出る。
次に向かったのが、お盆の時にも訪ねた標高1900mの「清里ハイランドパーク」。前回同様、一面のユリ畑。天国って、たぶん、こんなところなんでしょう。
座ることもせず、ただ視線を遠くに泳がす。「早朝は稜線が見えますが、午後は雲がかかることが多いです」と、山頂の売店の人。
冬場はスキー場になる場所ですから、斜面が滑らか。そこに一面のユリ。
山頂に掲げられた、祈りの板。2回木槌でたたいて、願い事をするための板。こんな高地で清涼な場所で念じれば、必ずかなうような気がします。
寺社でもお詣りしない僕ですが、今回はやりました。
下山してバス停に着くと、「清里ピクニックバス」で一緒だった幼稚園児くらいの男の子と再会。
「気持ちよかったねぇ」と僕。「うん、楽しかった」と彼。
「ユリが咲いていたでしょ?」「きれいだったね」
「おじさんには、いい冥土の土産だった」「冥土って何ぁにぃ?」
「皆んなが、いつか行く所」「僕も行けるの?」
「キミは100年後にね」。隣でお母さんが笑ってる。
バスなら通常3時間で東京到着ですが、今回は追突事故が発生して5時間かかりました。運転手さんは渋滞のサインを見逃さず、一旦、国道20号線に降りて、相模湖あたりから再度中央高速に乗る。
かみさんは1週間、僕には2週間ぶりの我が家。なんだか他人の家のようで、寡黙になりました。
久々の夕刊。
「南アルプス・北岳山頂直下で撮影された鹿」の写真が出てました。ニホンジカが全国の高山植物を食べ尽くす記事。
花畑ばかりか、農産物の被害も2009年度で71億円というから、農家では駆除したい天敵なんですね。
生物多様性とか生態系の保全といった記事が、実感を持てるのも清里生活で気付いた一つです。
★それでは「音だっち」ツネツネから。かわいいね。
・本日は、仏から。Housse de Racketです。