ロビーの学生に教わりました
オペラの「リゴレット」を観てきました。ホンモノじゃありません、映画の「リゴレット」です。皆さん、名前だけは知っているでしょ? 僕も名前だけね。どういうものなのか、ものは試しというヤツ。
そのオペラは、僕には4.5重苦という話を7月30日のブログで書きました。1、2、3、4と続いて、最後の0.5は相変わらずの重苦ですから、一人で出掛けました。
おさらいです。オペラ映画のメリットは、値段が安いし字幕が出るので初心者でもストーリーを追えるということ。
今回の「リゴレット」も、ストーリーはよく理解できました。
好色で公爵の領主マントバ、彼に仕える道化師のリゴレット、そしてリゴレットの愛娘ジルダ。この3人が主人公。
仕事で道化をやっているが、娘かわいさ、変なムシがつかないようにと「教会以外は出掛けないように」と厳命するリゴレット。ところが、よりによって教会で、クライアントの公爵の眼に留まってしまうのだ。
娘を守るか、仕事を優先するか。これは、現代人の感覚で、16世紀のイタリアでは、ひたすら娘が心配なお父さんのリゴレット。
ところで、僕の子供は2人とも男なので、娘をガラス細工のように思い込み扱う、その心情が理解できず、途方に暮れます。
(過去、何回も列席した結婚式での、父親の愁嘆場。右に同じ。この点では16世紀も21世紀も一緒)
正直言って、ストーリーがストーリーでしかありませんでした。最後にリゴレットは公爵に殺意まで抱く。これも、結婚式での新婦の父の心情?
リゴレットを演じたヴィクセルが、どんな人かは知りません。ですが、公爵を演じたパヴァロッティより知名度は低いのでは?
つまり、パヴァロッティがリゴレットをやれば、物語で強調したい道化師の涙と怒りが引き立つのではないか、と観ながら感じていました。
確かに、パヴァロッティの歌は舌を巻きました。作曲したヴェルディのメロディ、うまいですねぇ。
女殺しの男の面目躍如。
楽天的で、つかまえどころがなくて、相手に期待してなくて、気分屋で。要は、なるようにしかならないと「わかってるヤツ」をメロディで作ったヴェルディ。
パヴァロッティを初体験して、ロビーに出ると、なにやら人が大勢いました。
映画をやったのは埼玉会館の小ホール。反対側の大ホールでは、埼玉大学・管弦楽団の在校生と卒業生が、合同で演奏会をやっていたのでした。
すぐ「何なに?」と訊きたがる僕。
在校生の部員だけで100人在籍というから、本格的な活動をしているのでしょう。そして、年度を問わず卒業生も演奏に参加するって、随分風通しのいいクラブなんですねぇ。
学生時代に旅とアルバイトに明け暮れていた僕は、やはり、うらやましかった。学生諸君「命短し、楽しめキャンパス」。
「何を演奏したの?」と僕。
「ショスタコービッチを演りました」。プログラムをもらい、さっそく家で聴きました。ピアノ協奏曲第2番です。もちろん、これはYou Tubeので、彼らのではありません。