牧場のアイドル犬と主人
たぶん、これからも牧場の写真は出て来るので、今回は「主人」のものにします。9月14日のブログで干し草の話をしました。
「干し草作りが、僕らの仕事です」と語っていた、酒井さん。
1回目に訪問した時は、牛より、飼われている犬に心を奪われました。牛舎の中に入ろうとすると、待ち構えたようにお出ましになったワンちゃん。
足元でグルグル。思わずしゃがんで「元気ィ」と頭やらあごやら背中やら足やら、所かまわず撫で回す。
「寂しがりやなんです」と、酒井さん。
30分ほど犬語で会話。
「彼女できた?」「お父さんは働き者だねぇ」「好きな牛はいるの?」「これから友達になろうね」「宿題やってる?」。
しまいには、僕の腕を彼の首に巻き付けて、プロレスごっこ。もう、まいったなぁ。
2回目の今回、いましたよワンちゃん、またまた。こいつメ。相変わらず、情けなくて最高にキュート。
酒井さんは、何やら鉄の部品と格闘中。
「草刈機の刃を直しているんです」。
訊けば彼は2代目の牧場主。3代目は現在小学生。過去、2代目も小学生の頃から、父親の仕事を横目で見ながら仕事を覚えて来たのだろう。
目の前は、広々とした牧場です。2町歩ほどあるという。そして、その周辺はペンションが点在する。
「昔は直接、牛乳を届けてました」が、現在は保健所の指導がうるさくなって、長野県の牛乳工場と契約しているようです。
25頭ほど飼育中ですが、彼らが1年で食べる飼料を想像できますか?
目の前の2町歩の他に8町歩、計10町歩の牧草地が必要なんです。もちろん、僕は想像できません。
毎朝夕、餌をやった後は、とにかく牧草の世話に掛かりっきりなのが牧場経営だったんです。
春夏秋の3回収穫して、1年間をまかなう。
思わず、人1人が1年間に食べる総量を耕作面積に換算すると、どれくらいになるのだろうと、考えてしまった。
田んぼ、畑、牧場以外にも山、川、海、空の収穫物もあることだし。
ここにいるのは、全部メス。精子を冷凍庫から引き抜いて
見せてもらいました。とても、神秘的な情景でした。
そうやって生まれた子牛達。2町歩の牧場で元気に遊んでいました。ペンションのお客が連れて来たペットの犬が、怖いもの見たさで、柵に近づく。
元気な子牛は、頭突きのポーズで突進する。見たこともない巨大な塊が自分に向かって来るのですから、ペット犬も
「捨てゼリフ」のような鳴き声を挙げて退散してました。
★それでは「音だっち」ツネツネより。そう、夏は終わり。終らないのは、僕の清里生活。
さよならの夏