腹いせに、チェーンソー

8月15日のブログで、国立天文台の野辺山宇宙電波研究所訪問を書きました。宇宙からの電波を受信し観測する施設です。

研究者には知られ、観光施設でも有名ですが、基本、一般人は知りません。山里にある、大事だけど地味な研究。

いつも夕ご飯を食べる中華料理店で「山梨日々新聞」を読んでいたら、おもしろい記事を見つけました。

ニュートリノ、光速超え?」。

アインシュタイン博士は、相対性理論で光が最速であると発表しました。その光より、ニュートリノのほうが10万分の2秒速い、と名古屋大学が参加する国際実験チームが発表。

じゃぁ、チームはどこで速度実験をしたのか?

スイスとフランス国境にある、欧州合同原子核研究所で人工的に作ったニュートリノを、約730km離れたイタリア中部のグランサッソにある地下研究所の検出器に向けて発射。

結果は上記のごとし。僕が関心をもったのは、発信元と受信元の場所。想像では、野辺山より山深い所なのでは、と。人知をはるかに超える実験場は、かくありたい。

なんちゃって。今夜の夜空は星がみごとですが、この宇宙的スケール感は、やはり東京では実感がともないませんでした。



宇宙規模まで思いを馳せることができるのも、自然にかこまれている生活をしているから。

前に、僕が「東京の100坪と地方の100坪は、意味が違う」と言ったら、「100坪は、同じ100坪でしょう」と言った男がいました。

40過ぎて、未だ意味の違いに気付かない人がいるなんて、むしろ、こっちが驚きました。とはいえ、僕も所詮は理屈でしかわかってなかったのです。

自然の大きさ。

例えて言うなら、都会がcm単位のサイズ・発想なら、自然はm単位なんです。都会がmなら、自然はkm単位。

それを、いやというほどわかったのは、近所から枯れ木を拾って、ネグラの庭に植えたり、ちょっとした造作をした時でした。

まるで、チンケ。

小枝を集めても、一輪のついた「ねこ」で運ぶほどの材木をもってしても、少々の汗をかいたくらいでは、とても引き立つようなことにはなりません。

道ばたで拾った時は、頭の中はイメージでいっぱい。「これを、あれしよう」と。ところが、完成すると、どんなことが待っているか?

空を借景にしているのです。林が背景にあるのです。同情してください、この時の惨めさ。膝、ガックシですよ。



先日、台風がありましたね? 

あの日もめげずに、材木を運んでました。フード付きアノラック上下&作業用革手袋&長靴の格好で。(テレビがないので、ただの雨天だと思っていたのです)

作業員の気分を味わいたかったのは、確かです。でも、造作の成果だって期待してましたよ、もちろん。

あれは、午後1〜2時ころ。風雨がピークの時に、近所の青年が「こんにちは」と現れました。

「仕事が早く終わる日もないと、体がもちません。台風のおかげです」と、笑顔で仕事場の農場からご帰還。自分の世界に入っている僕をみて、多言&アドバイスは無用と感じたのか、自宅に向かっていきました。

東西南北ミックスの強風。枝に付いた葉にあおられ、幹は瞬時に方向を変える。倒れる。遊びですから、悪戦苦闘感はないんです。でも、できあがりがチンケですから、がっかりしました。

バンテリンがいいわよ」と、晩ご飯の中華料理店のおかみさん。体の各所がミシミシすると伝えると、経験上の効果をアドバイスされる。

お話にならないくらい普段から運動してないので、あるいは、エレベーターを使わずに階段を上るような心掛けもない報いが今ここに。

バンテリンより、僕には気分が優先。本日、チェーンソー初体験。拾って来たはいいが、放置していた木材で試す。いやぁ、なんて切れるの。この楽曲の時間があれば10本は切れます。