逃げられたらプジョーで追う

いやぁ、東京は暖かいですねぇ。東京の秋は、こんなに暖かでしたっけ? バスから新宿駅頭に降り立つと、雨もあがってました。

開けて、今日。指先が痛いのは、清里で樹木を運んでいたからです。手袋をして作業をしても、慣れてませんから、やはり痛い。

とはいえ穏やかな日和で、とにかく和む。「石焼き芋ぉ〜、お芋ぉ〜」と、昭和にもどったような売り声が遠くから聴こえて来る。体がくたぁ〜となります。

一日、読み慣れた新聞と、本と、テレビで過ごしました。やはりニュースが恋しかったんですね。



まず、歌舞伎のニュースから。

市川猿之助さんが猿翁になり、市川亀治郎さんが猿之助になり、香川照之さんが中車(ちゅうしゃ)になり、香川さんの長男政明ちゃんが団子(だんこ)になるという話。襲名は来年ですが、まずはめでたい。

名跡が無事、すべて受け継がれました。

僕が歌舞伎を見始めたのは、猿之助さんでした。30歳代の初めの頃。舞台芸という意味でも、ほぼ初体験。歌舞伎が舞台の娯楽を教えてくれたのです。

最初が猿之助さんだった、というのはとてもラッキーなことでした。知識がなくても楽しめて、なおかつ、知ろうとすると先が見えないほど奥深いという楽しみ。

見終わって、付近のホテルで晩ご飯に寄ったら、たまたま猿之助さんの後援団体の席の近くで、彼女たちの華やぎに接し「これも含めて歌舞伎なんだ」と、伝統的なしきたり
を垣間みた気分。

すでに、藤間紫さんがバックステージのビッグ・ママでした。貫禄が違いますから、遠目でもわかりました。



TVでは、ラグビーW杯のカナダ戦。

ゲームは、カナダと日本がお互いに7対7でスタート。「20年ぶりの勝利を目指して」とアナウンサーが盛んに連呼してました。今回すでに3敗してますから、力が入る。

なじみがないスポーツですが、W杯となれば話は別で、僕も応援しました。

One for All. All for One.というラグビーの考えは前から好きで、試合を見ていると意味がよくわかる。

「地上戦」なんですラグビーは。サッカーが「空中戦」であるのに対して。戦車体型のラグビー選手に、戦闘機体型のサッカー選手。

空間を支配する考え方が、正反対。相撲やレスリングを団体でやるボールゲームというイメージでした。

あらかじめ、敵につぶされると想定し、メンバーの消耗率を計算に入れて戦うので、One for All. All for One.という思想が生まれるんですね。

スコアは残念ながら「20年ぶりの勝利がかなわず」ドロー。

リードしていた試合だけに、ほんと残念。掌にあった勝利が、溶けて流れた無念さ。選手は悔しいかろぅと、声も掛けられない心境になる。



そして、読みました文字。

四方田犬彦さんの「ゴダールと女たち」。前回、清里から帰京したのは8月24日。26日のブログではBack to the都市生活で 「都会の観光資源は女です」なんてことを書いてました。

今回も、あまり変化がありませんでした。

ヌーベルヴァーグの巨匠・ゴダールは、どんな女と関わったか?という好奇心。

5人の内、僕が見た映画のヒロインは3人だけでした。

勝手にしやがれ」のジーン・セバーグ。「はなればなれに」のアンナ・カリーナ。「万事快調」のジェーン・フォンダ

なぜ、この本が気になったかというと、広告で、この映画の革命的異端児は「女に逃げられるという天才的才能」があるとコピーにあったから。

女というのは、自己改革しない。それを「変われ」と迫るのがゴダールの趣味で、すると美女達は逃げる。逃げられた後の彼は、必然的に自己改革せざるをえない。

←これ、大島渚監督のゴダール論。なるほど、「逃げられる才能」とは、うまいこと言うねぇ。犬彦先生もゴダールを定点観測していて、一貫性より不断の変革に気付いたという。

いずれにしても、頭の体操をした帰京1日目でした。

★それでは、「音だっち」ツネツネより。何が遅過ぎたのでしょうか?

・本日のおすすめ
The Bawdies
[http://www.youtube.com/watch?v=ZDRQajgohyE&feature=relmfu:title=http://www.youtube.com/watch?v=ZDRQajgohyE&feature=relmfu
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