そうだ、お風呂屋があった
清里と東京を往還するようになって、自然と都市のサイズの違いをたびたび書いてきました。
これは、お店でいいなと感じた商品なのに、家に持ち帰ると何かが違う、と後悔するのと似ています。
ですから、「あれもこれも清里で工作したい」とアイデア・フラッシュだけは日ごとにふくらんでいますが、「実際、清里で作ってみて、チンケなものにならないか?」と、学習できるようになりました。
何を言いたいかというと、東京で調達した資材のサイズのこと。
工作も、たとえば、ご当地の材木店で調達すれば早い。と、どなたも考えるでしょう。ですよね?
僕は、それがイヤなんです。
廃物、粗大ゴミを材料にして工作したい。9月9日のブログで、廃業した近所の寿司屋さんの話をしました。ベニア板6枚、お客さん用の椅子5脚、握る前に炊きあがったご飯をかき混ぜる大きな桶1つ。
その他、壁に架けてあった千客万来の看板とか、もろもろ回収するのに、台車で10往復した量。
ところが、最大2m50cmの廃品を、清里へどのように運べばいいかが、課題として残ります。
宅急便に問い合わせすると、とんでもない料金になって、結局、皆さんの常識の正しさが証明された次第でトホホになる。
ところが、捨てる神あれば、拾う神あり。
息子たちが清里までドライブするというので、それに便乗して「トラックのレンタカーにしてくれ」と頼み込む。
こうなると、強気になりますよ。廃品集めも。
近所の「粗大ゴミを出す日」に物色した帰り、銭湯の前を通りかかりました。
「これだ!」。求めよ、さらば開かれん。お湯を沸かすボイラーに、未だ木材が使われている。番台のおやじさんに交渉して、早速家まで運搬。3往復分。
テーブルの脚を自作したかったので、天板3枚。合板のものは軽い。一枚板のものは、とんでもなく重い。
それと、ルーバー仕様のドア3枚。これはプロパンガスのボンベをカムフラージュするのにいい。
どれも、台車の幅をはるかに超えるサイズなので、裏道を通る。すると、またまたありましたよ、お客さん。
工務店の廃材置き場。台所のシンクとか、屋根材とか、アコーデオンカーテンに混ざって、木材も。
1時間くらい話しましたかねぇ。
「今、1軒の家を解体するのに300万円ほどかかります。プラスして、廃棄費用に5〜10万円ほどが必要です」。家を建てる前に。
家って、どんな種類の資材で作られているか? 想像できますか? それを、すべて分ける。ややこしいのは、木のドアに付いているガラスや金具。これだけでも3種類。
集積所では、それを分別する。
お風呂屋さんが言ってました。「木でお湯を沸かすと、石油のお湯の質とは全然違う。原料も廃材だからタダ。けど、裁断するのが手間ですから、大きい物は断ってます」。
分別後、裁断の手間までかけないとMOTTAINAI精神は活かされないのでした。
ということで、次回の清里行きが決まりました。今、トラックに積める廃材を求めて徘徊中。このような徘徊には、子守唄で自分を慰めないと、やってられません。