地元のニュースがおもしろい

清里に来る直前に、上野をぶらりして落語を楽しみました。定席では鈴本が有名です。僕が入ったのは、松坂屋前の「上野広小路亭」です。

不動産会社の永谷ビルは、ここ以外にも「お江戸両国亭」「お江戸日本橋亭」を持ってます。なぜか落語業界は、国立演芸場と永谷ビルの定席を、定席の寄席とは言いません。

不思議です。

三遊亭遊吉さんの「豊志賀」。師匠の桂歌丸さんは怪談で売り出してます。ところが遊吉さんは、大師匠の桂米丸さんに芸風が似ていて、チカラが入りません。

隔世遺伝。柳に風のような「豊志賀」もあるんですねぇ。



さて、最近なじみになった「山梨日日新聞」。本日のでは、笑点でおなじみの三遊亭小遊三師匠が出てました。

彼は山梨県・都留高校の卒業生。母校で古典「ん廻し」を披露したニュース。

高校生に落語を聞かせる。むずかしかったでしょう。

噺家は、高座で地方の学校に呼ばれたことを、マクラでよく振ります。どなたも一様に、騒がしくて噺を聞いてくれない、あるいは無反応をネタにして笑いをとります。

そりゃそうでしょう。別世界の話ですから。

とはいえ、出て来る言葉を一々説明するわけにはいかない。講義・授業じゃなくて話芸ですから。

今の暮らしと落語を接着する苦労は、たぶん、あらゆるジャンルのクラシック・アーティストに共通のものなのでは?



と、新聞を読んでいると、またまた、なじんだ人の記事が出てました。

同じく、都留市が「事業仕分け」を行って、画家の増田誠さんの美術館建設など3事業が不要と判断されたニュース。

彼も都留市の出身だったんですね。知りませんでした。

僕は30歳代の頃に、彼の在パリ時代の油絵を買いました。200号くらいの絵でしたから、けっこう大きい。

人物画です。彼が好きだったと思われるピカソマチスローランサンなど10人ほどの画家の群像。

タッチは、佐伯祐三に似ています。佐伯祐三は、ほとんど風景画、より正確にはパリの街頭画をよく描きましたよね。

その流れで、気に入りました。

なんとなく、愛嬌のある顔の表情。楽しんで仕事をしたのだろうと思われる絵です。

知名度は、全国区にはなりませんでした。僕にとっては、それがよかったのですが、事業仕分けでは、残念ながらそれが「あだ」となる。

八ヶ岳山麓には、個人美術館が意外と多い。中には、生前に別荘があったから、それを立て替えて美術館にしたのだろうと思われる、どうしようもない作品もあります。

ここ数日は「山梨日日新聞」の地元面が気に入ってます。