体の姿勢が心の姿勢に
清里から帰京して、文京シビックホールで開催された「野村万作・萬斎 狂言の夕べ」を見てきました。
シビックホールは小ホール経験はありますが、大ホールは初めて。観客シートに感心しました。普通、空席だと座面は全部背もたれに戻ってますね? ところが、ここは前の半分だけが背もたれに戻る。
後部の半分は固定されてます。
お尻のアールに沿った弧が作られるので、疲れない設計。
そして、舞台。能舞台を模してあるので、開演前に下がっている幕がありません。神社にある能舞台に、幕がないのと同じでした。
五色の揚げ幕と、そこから伸びる橋掛り。要は本舞台に至る廊下と、3本の松。そして、本舞台の後ろに描かれた老松の絵。
なつかしい。
各地のお祭りで見た能舞台と一緒。もっとも、神社の舞台は風雨にさらされていますから古色、ほとんど消えかかっている老松もありますけど。
古今亭志ん朝師匠の出囃子も「老松」だったなぁ、と開演まで一人でふける。
演目は「蝸牛(かぎゅう・かたつむり)」と「業平餅(なりひらもち)」。
萬斎さん登場して、まず、演目解説。その声と姿勢が、観客を圧倒する。声はTVでも聴けるけど、姿勢のエネルギーを初めて知りました。
立っているのではありません。構えてます。これは修業しないとできないでしょうね。手に何も持たず、つまり、物に頼らずに構えの姿勢って、あるんですね。
ですから、辺りをはらうような緊張感があります。
それでいて、ストーリー解説はわかりやすく。
お父さんの万作さんが太郎冠者を演じた「蝸牛」は、かたつむりを見たことがないので、山伏を・・・・という話。
イケメンの業平が主人公の「業平餅」は、餅屋から娘を妻にとウレシイ申し出を受けるが・・・・という話。
笑いにも、爆笑・こう笑からクスクス笑いまで、100種類くらいあるでしょう。
今回は、ほんとに薄味の笑い。滋味のある笑い。だしの利いた笑いでした。
比較して言ってます。僕は、京都の神社で「土蜘蛛」を見たことがあります。祭礼でやってました。
万人受けするために、ハデな演目を選んだのかもしれません。この時は、いかにも地元の愛好家が披露したようで、手作り感がありました。
でも、公共ホールの、しかも大ホールでやるものとは異質のものでした。
15日と20日は、万作さんの傘寿(80歳)記念公演が千駄ヶ谷の国立能楽堂で開催されます。
共に、会場にあったチラシで知りました。笑いの狂言に、様式を取り入れた親子の丹精がすばらしい。
★それでは「音だっち」ツネツネから。ログハウスとかカウチンセーターを連想しました。
・本日のおすすめ。Team Me。ノルウェーのバンドです。
北欧らしいノスタルジックな雰囲気とキャッチーなメロディーが素敵です。いかがでしょう?僕の最近のお気に入りです。
[http://www.youtube.com/watch?v=liYLOcUUUoc&feature=related:title=http://www.youtube.com/watch?v=liYLOcUUUoc&feature=related
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