100年とは、ほぼ4世代のこと

親父の法事が先日ありました。十三回忌です。冠婚葬祭の常識が子供並みだなとわかるのは、こういう時。

ちょっと恥ずかしい。

もっとも、僕はお坊さんではなく、地元選挙民と付き合う政治家でもなく、社員の世話をする企業総務部員でもないので手慣れていない、と一応弁解したいです。

てっきり亡くなって13年目かと思いきや、12年目のこと。干支12年一巡りが経過した時点での法要のことでした。

親父は大正2年生まれ。大正は年号の末尾2桁に11年をプラスすれば西暦になるので、1913年生まれ。

森永ミルクキャラメルが発売され、岩波書店が古本屋から出版業を始めた年。アメリカではフォード社が自動車製造に流れ作業を導入。

第一次世界大戦が勃発したのは1914年、親父1歳6ヶ月の時。その年12月には大隈重信内閣誕生。

親の生を歴史に重ねると、当時、彼がどんな生活をしていたか感興がとめどなくあふれます。

いずれにしても、今年は2011年ですから、あと2年すれば100歳、100周年。

よく、作家や画家で「生誕100年展」を催しますね。そう思うと、100年は意外に「長くはない」年月だと思いませんか?




法事では、4世代が集まりました。人間は、4世代でほぼ100年を受け継いでいくという実感。今、この時を4世代が同時並行で生きているという重層感。

久しぶりに家族・親戚一同が集う、というテーマの映画は今まで浴びるほど見てますから、豆腐料理で会食しながら面々を眺め、頭の中では音が流れてました。

今回は、ブラジルのカルカニョット嬢。南米の音は、なんて、家族な音なんだろうね。

それぞれに、思い通りにならないことがあり、私は私の道を行くことがあり、まだ面倒をみなきゃいけないことがあり、これから頑張らなきゃいけないことがある。

のんきだったり、シリアスだったり、説明いらずだったり。

いいねぇ。




法事のお寺までは結構距離があったので、「ミドリさんとカラクリ屋敷」鈴木遥著を読んでました。

平塚にある、電信柱が突き出た家を建てた木村ミドリさんのノンフィクション。

常識からでは奇人・変人とみられるでしょう。

ですが、彼女と夫の常識からでは「外壁に穴を開けて、外から電気を引くより丈夫な家」を建てたいだけ。

その電信柱は、東京電力から1本15万円で新品を購入したそうです。

彼女も大正2年生まれ。

親は新潟から北海道に移住し(江戸時代の武士が失業して、屯田兵になった時代!)、彼女は新天地「新潟村」で生まれ、東京で働き、薦められて平塚に土地を買い、自ら大工を探し、毎日建築現場に足を運んだ。

ミドリさんは、好きなことをやる。

とにかく前向きに課題解決をする。好きなことだから苦にならない。そして、奔放さ、潔さはご先祖様からの血統でした。

こうして、彼女もまもなく生誕100年を迎えます。息子の死を乗り越えて。

★それでは「音だっち」ツネツネから。選曲は、ますます本領発揮。このキュートさ、いつまでも。

・本日のおすすめ。Miss Li。キュートです。

[http://www.youtube.com/watch?v=7fRoDDFatIQ&feature=related:title=http://www.youtube.com/watch?v=7fRoDDFatIQ&feature=related
]