スイートルームでやわらか干し梅
まず、恵比寿駅までバスで出ました。到着すると屋台がずらりで、素通りできず。
たこ焼き、焼きそば、バターじゃが、焼き鳥、シシカバブ、広島お好み焼き、鯛焼き、べったら漬け・・・みんな食べたい。のを抑えて追いかけると、恵比寿神社の前に出ました。
え、こんな所に神社があったんだ。
駅に戻りがけに「やわらか干し梅 種ぬき」の袋を見かけたので訊きました。
「梅干しと違うんですか?」
「まったく違います。夏場、熱中症にいいので売れるんです」。となりに「力(チカラ)の実」の袋。
「何ですか?」
「松の実、ブルーベリー、クコの実、サンフラワー、かぼちゃの種と5種類をミックスしてます」。
試食して両方を買うと、名刺をくれました。「ドライフルーツとお豆の浮田商店」。今まで「やわらか干し梅」の味は知りませんでした。すこぶるおいしい。一年中、毎日食べても飽きない味。
何事も極端を妄想する癖があるので、「食前・食後にやわらか干し梅」と呪文のように繰り返す。
皆さんに、お勧めします。
さて、恵比寿駅から「やわらか干し梅」を食べながら、地下鉄で広尾駅に移動。
チェコ大使館を目指す。夜7時から始まる映画「プラハ」を見るためです。
広尾2・3・4丁目は聖心女子大や日赤医療センターがあります。並んで、邸宅も超の字がつく高額物件ばかり。
チェコ大使館は初めて入りますが、いや、その落ち着いた佇まいは、事務所というより邸宅でした。ユニクロのワーキングパンツじゃまずかったかなぁ。
敷地の地形から、地下3階に降りた所が映写室。何かに似ている?
そうだ、スターリンだ。1950年代のソ連。大粛正の指示を、クレムリンの映写室から出していたエピソード。
怖いですねぇ。独裁者は映画を見ながら、頭の中では「○○と××を逮捕」ってめまぐるしく動いている。
ひげの一等書記官がにこやかに登場して、映画の説明を始めました。
1968年、「プラハの春」を時代背景にした青春ミュージカルです。邦題は「プラハ」でDVDにもなってます。ですが、プラハはラストシーンしか出てきません。
If You're Going To San FranciscoやWhere have all the flowers goneと、おなじみの曲が英語やチェコ語で出てきますから、どうぞ楽しんでください。と。
女子高生たちが最後の授業を受け、さあ、これから休暇! そこに3人の男子登場。恋が咲かないはずがない。
でも、そこは素朴なチェコ・テイスト。
ラストシーンで男子3人の身元がわかる。プラハも街は出てきません。プラハを方向する道路標識が出るだけ。それは「プラハの春」を冬に変える暗示です。
「もし、君がサンフランシスコに行ったなら」という曲の意味が重い。「あんなにたくさんあった花は、どこへ行ったの?」という声が、1968年のチェコにありました。
終映後、ひげのホリー・ペトル書記官とちょっと話す。
毎月、大使館でチェコ映画を上映しているとのこと。うれしいねぇ。月1回、こんなスイートルームで見られるなんて。