履歴がある音でリラックス
山下洋輔さんのニューヨーク・トリオ2011に行きました。CD「ディライトフル・コントラスト」の発売を記念したコンサート。
会場は、渋谷区の大和田ホール。
ジャズを聴くなら、やはりライブハウスでしょう。とは思う。思うけど、発売記念となるとホールが多いのでは?
今まで生演奏は10回も聴いてません。全部ライブハウス。
ホールの距離感で、ちゃんと味わえるのか? 山下さんの演奏は初めてで、ちゃんと楽しめるのか?
ちょっと覚悟が必要な今回。
2部構成で、前半はベースのセシル・マクビー(ベース)とフェローン・アクラフ(ドラムス)のトリオで4曲。
1 チャット・イン・ア・ドリーム
2 トリプル・キャッツ
3 エレジー
4 スパイダー
すべて、MCは山下さん。大人の解説ですから、笑いをとるようなことはしません。TVでおなじみの笑顔で、語ることがエッセイになるような。
僕は、3曲目のエレジーがよかった。
楽器は、その人の性格を表しているといいます。ベースのセシルは、性格だけでなく年齢も表していました。
ソロ部は「これがウッド・ベースの音です」と、優しい先生のよう。ベースだけの曲を聴きたくなったほど。
ここまで鮮明に音を出すのは、ホールならではの演奏法なのでしょうか?
彼は山下さんと1988年からの付き合いなので、お互いにすべてわかっている様子。ピアノがもっと「主張」するのかと思いきや、老夫婦のように「あれ出してくれ、それ取ってくれ」で通じ合う。
ドラムスのフェローンとも88年からの付き合い。56歳なのに、この若さ。たぶん、若さがないとドラムって続けられないなぁ。
3ヶ月ほどですが、僕はイベント・プロデュースの学校に通い、収録のトラック数を習いました。
パートに立てるマイクの本数が気になる。
後半は、金子飛鳥ストリングスが加わる。メンバーは4人。
「ジャズメン忠臣蔵ということを企画して、47人とコラボした時に金子飛鳥さんと出会いました」と山下さん。
バイオリンとビオラとチェロ。
フリージャズも弦楽器が入ると、僕のようなシロウトには聴きやすかった。
5 フライト・フォー・トゥ
6 ダンシング・バニティ
7 廃屋のアリア
8 チェイス
9 メモリー・イズ・ア・ファニー・シングス
10曲目は曲名を聞き逃す。
彼がバラードを演奏するとは意外でした。
永年のファンが大勢詰めかけた今回。
予想どおりの音を出したのでしょうか、演奏が終わるたびに拍手と声がかかる。舞台と観客が一体になる空気。
やってるほうも、そりゃぁ、気分いいでしょうね。ああ、音屋さんがうらやましい。
来年1月7日は彼がプロデュースして東京オペラシティで、23日は日経ホールで演奏します。