建築も、しゃべるんです
スタンプラリーも各種ありますが、ANDO WORKSを巡るスタンプラリーも登場するとは。
スタンプを押す台紙を見て、9件の内、半数ほどは見てると、一人うれしくうなずく。建築家・安藤忠雄さんが手掛けた建築巡り。
・東京ミッドタウンにある21_21DESIGN SIGHT
・東急東横線 渋谷駅
見てない建築は4件ほどありました。最近、度々出かけている山梨県北杜市には、光の美術館というのがあったんですか、知りませんでした。
彼が東大の教授に任用され、そして退任前の最終講義は一般人にも開放され、安田講堂で実施されました。
もちろん建築学部以外の学生も興味をもったでしょう。自転車で駆けつけ、列に加わる。
僕の後ろには長蛇の列ができました。そこは広い本郷キャンパス、正門手前で直角に曲がって、また延々と続く。
開始時間になり、講堂に入れない人のために彼は20分ばかり外で講義をしてから、講堂に登壇。中で待たされたことより、かえって、その行動でファンになりました。
「あぁ、彼の授業を受けた学生は幸せだったろう」と講義を聞きながら、ずっと聴講する人々の頭を席の後ろから眺めていた記憶。
「技術より先に、町を見よ。人の集まる場所を見よ」と、強調していたなぁ。
刺激されて、著書「連戦連敗」を読んだ記憶。
キャリアをスタートした当初から、設計コンペに落選し続けても視野が広い人だなぁ、と。
今回は、建築家・建築学生・建築ファン憧れのGAギャラリーを初訪問。地下鉄・北参道駅を初めて降りる。建築写真家で、編集もする二川幸夫さんの拠点。
展覧会「安藤忠雄建築展2011」を見てきました。
すでに数冊読んだので、本は買いません。
彼の講演会にも数回出席しているので、11月4日のギャラリー・トークも参加しません。
それより、現在進行中の中国や韓国での仕事って、どんな建築なの? という興味。
写真は、上海保利大劇場の模型。ニュータウンにオペラハウスを中心にした文化複合施設を造る。建築図面や模型って、長時間見ていても飽きません。
100m×100m×30mの立方体に、円筒状のヴォイドをいろいろな角度から挿入する計画。
上野の国際子ども図書館では、本体に長方形を挿入しましたが、上海では円筒形。
これで、訪れた人がワクワクするような、意外性のある動線ができる。
中央には1600席もあるホールができるというから、入場したお客さんは息をのむでしょうね。
世界中に現場をもっている安藤さん。ということは、各国の施行技術、つまり材料から組み立てまで、職人の腕のレベルを比較できるのでしょう。
中国も五輪と万博を経験して、随分、腕が上がったらしいです。
前から、建築ってスポーツに似ていると感じてました。
体、筋肉って「覚えが悪い」。頭で考えていることを「実行できない」。だからトレーニングが必要。
反対に言えば、頭のレベルを先行させて上げておかないと、体はつられて上がらない。
建築家がよく語るくらしの環境も、自然との共生も、構想するだけでなく、実施できる人っているんですね。
安藤さんは11月4日もGAギャラリーで、東北に「鎮魂の森」や「桃・柿育英会」のギャラリー・トークをするでしょう。
あの、しゃべり。ほんとに聞く人を「その気」にさせます。この場みたい。