流転する因果者を書かせたら

昨日のブログ写真で、早速「音だっち」ツネツネから指摘あり。

・それは、ススキではなく「オギ」ではないですか?頴の先に「のぎ」はありますか、あればススキ。なければオギです。

弱いんですよねぇ、植物が身近じゃないから。ついでに弱いのは漢字。

「荻オギ」と「萩ハギ」って、肝心の実物を知らないし、それに、なんだか万葉集あたりに出て来るイメージがあって敬遠気味。今でも正確に書き分けられない。

続いて昨日会った「迷子だっち」、これまた続報。けっこうマメに情報収集してるじゃないの。島、いいねぇ。その気になるねぇ。

神津島にも暖かい時に是非いらしてください。では、「離島経済新聞」のアドレスを最後に。
http://ritokei.com/2011/08/27/20110827-86.html



さて、ここに取り出しました本。「果因果因果因」と書いて「がいんがいんがいん」と読ませる根本敬兄さんの著作。

兄さんとは、新大久保の在日韓国人が住むマンションで1回お会いしました。ソウル五輪の翌年のことです。

「ソウルに住んで仕事を始めるにあたり」ご当地事情を教えてもらおうと、韓国人を訪ねたら、そこに彼がいたのです。

予想に違わず、瘦せ形で、青白く、無口で、しとやかで、人見知りで。そして、考えてることは、でんぐり返るほど過激。

日本で唯一人の、特殊漫画家。

「ファンなんです」と僕が手帳を差し出すと、彼はソウルの繁華街・明洞を「やらせろ!」とハングル語で叫びながら歩く「村田のおやじさん」を描いてくれました。

今日、本棚をさらったら「心機一転土工」「黒寿司」「キャバレー妄想スター」が出てきました。

どこかに行ってしまった「生きる」「ディープコリア」「人生解毒波止場」「因果鉄道の旅」「亀の頭のスープ」と、ズラリ「寄書の殿堂」に並ぶ中で、漫画でなく初めての文字だけの本。

一気に読んじゃいました。近作「果因〜」の表紙は、自画像でしょうか?

漫画と同じ、奈落の人生波止場をただよう人々が主人公の4篇。



アリランプレスリーの朧気(おぼろげ)」の巻。

「ラブミー・テンダー」すら歌えないのに、地方キャバレーをくまなく回って「江原道アリラン」や「ノムハムニダ」を歌う「アリランプレスリー」。

「お寿司9696(くるくる)会館」の巻。

浅草の「雷5656(ごろごろ)会館」に向かう親子連れ。息子は父親に「どこ行くの?」と何度も尋ね、「雷ごろごろ会館」と何度も答えさせて、そのたびに、ニヤニヤする。

この親子に、「へルター・スケルター」な過去があろうとは。

「元祖肉屋のサル」の巻。

小学生にもてあそばれる小男のサル。バンさんとダイさんは、力任せに彼を海に放り投げる。ある時、サルは自分の見た夢を語り始める。

海の底には竜宮城があり、ステージでは鯛や平目が「ルーファス・フィーチャリング・チャカ・カーン」の生演奏に熱狂して踊っていた。

さて、サルの運命やいかに?

「探偵占い物語」の巻。

夫の素行調査を、探偵に依頼するマダムの昔語り。

「六本木にはよく通ったわよ。ピストルのこと『チャカ』って言うでしょ? 韓国人やくざの姜が、このディスコに乗り込んで来るって緊張してたら、あのチャカ・カーンが来て大笑い」。

風水、四柱推命、手相、人相、姓名判断もなりわいの探偵
は「まったく、どいつもこいつも」とつぶやくのだった。

4篇とも、「村田のおじさん」が配役を変えて登場しているようなものです。

無視され、足蹴にされ、追い立てられる男を一途に描く彼は、ソウル濃厚だよねぇ。

★それでは「音だっち」ツネツネから。根本兄さんのエキスをたっぷり吸った後は、グールドで解毒しませう。

・丁度、カレのドキュメンタリー映画も公開されている
ことですし、グレングルードはいかがでしょうか?

バッハのBWV988です。
[http://www.youtube.com/watch?v=0RInThW6F9U&feature=related:title=http://www.youtube.com/watch?v=0RInThW6F9U&feature=related
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