24歳で夭折した一葉さんの美登利

先週はほとんど布団の中で臥せってました。水泳教室も常磐津教室も休んで。けど、意を決して出掛けたところもあります。

23日は「一葉記念館」初訪問。

20日に「一葉記念館」で、学芸員による展示解説。21日に春日会による小唄ごよみ。22日に「たけくらべ」ゆかりの地めぐり。

すべて行けず、23日だけ。記念講演と朗読がある日。行ってわかったのですが、この日は彼女の命日でした。お導きでしょうか。

一葉記念館」は、台東区竜泉にあります。最寄り駅は、地下鉄・三ノ輪駅。写真家のアラーキー兄さんの地元です。

入館して、目に飛び込んできたのが、この日本画。羽石光志画伯の手になる彼女のおもかげ。

眉、目元、口元、うなじ。駄菓子屋をやりながら、原稿用紙に「たけくらべ」を書く彼女は、これほどの決意をもって取り組んだ、という画伯の愛惜が伝わってきますね。

主人公・美登利もだぶって見えます。

朗読は、満員御礼で館内では聴けず、館外の児童公園に設営されたテントの中で。

一葉さんの朗読は、幸田弘子さんのCDが知られてます。本は、何度も読もうとして挫折しましたが、幸田さんの朗読で酔いました。

今回は、写真の熊澤南水さん。たぶん、前にあった講演がだらだらと長かったので、南水さんの持ち時間が削られたと思われます。

予定の半分ほどしか朗読できなかったのではないでしょうか。「もっと聴きたい」思い、はなはだし。それほど、南水さんの読む、登場する子供達のかわいらしさ、苦界を脇に見て育つけなげさにうたれました。

テントの外から聴こえて来る、公園で遊ぶ近所の子供達の声と協奏する。

滑り台やブランコで遊びながら、叫び声、くやし声、笑い声、断り声、泣き声、訴え声、暴れ声、囃し声。こんなハーモニーは、どんな演出家でもできません。

終わってから、「素晴らしいです」と紅潮して、南水さんとしばらく話す。

「美登利は15歳ですから、初潮が来て、客をとる年頃でしょう」。「私も、幸田弘子さんの『十三夜』を聴いてから、ひとり語りを始めたんです」。

自分の目指すものが見つかった幸福、苦労人ですねぇ。

これは旧友で歌人の佐々木信綱の「一葉女史たけくらべ記念碑」。なんとも、たおやめぶりの碑。22日に配布された、ゆかりの地マップも入手。

ほんとに、一葉さんは吉原遊郭お歯黒溝に目と鼻の先に住んでいたんですねぇ。体調が戻ってから再訪しよう。

歌から入る「たけくらべ」もありました。竜泉の夕景に合います。