覇権を誇示するのが本能?
お疲れさんです、気を付けてください兄さん。
僕も学生時代、窓拭きのバイトをしました。世の中にアルミサッシが出始めた時代で、窓枠は、基本鉄製の頃。
窓から桟が出ているビルも少なく、ましてやゴンドラなんか無かった。鉄製の窓枠も、風雪とともに錆て、原型をとどめていないビルも、よくありました。
たぶん、時給が高かったからバイトをしたんでしょう。高いということは、身の危険とセットということです。
窓枠を噛んでいる下のレールが外れて、中空にぶらぶらしながら拭いた記憶があります。雑巾で。道具なんて、何もなかったので。
たぶん現在でも同じかもしれません。窓ふきの面積は、30cm四方を1坪と数えるのです。1日のノルマは、何坪だったかなぁ。軽量級のボクサーが、バイト連中のリーダーでした。
世界遺産というと、TBSの番組がおなじみでしょ? ところがNHKでもやっていたんですね。僕は見たことがありませんでした。
毎回、それぞれのディレクターが壇上でロケの裏話をやりながら、映像を流します。音は、小曽根晋さん。
11月10日が初講義。そもそも、世界遺産なるものがどうして誕生したか?
古い方ならご存知でしょう。1968年、エジプトのアスワンハイダムを建設しようとした時、ラムセス2世像が湖底に沈もうとしていた。
その像を、1042個に切断して高地に移設し、無事に守ったという話。
「こんなこと、毎回やってられないよねぇ」と皆が気付き、じゃぁ、国際条約を作ろうと始まったのが世界遺産。
2回目の講義テーマは「木」。
3回目が講義テーマは「来世」。
ところで、皆さんは映画「落下の王国」をご覧になりましたか?
少女に聞かせる、幻想譚。
舞台は世界遺産群で、話はこの舞台でのロケなくして実現できなかったであろうと思われるイメージの飛翔がありました。
積み上がった歴史に伍して、衣装をデザインした石岡瑛子さんの腕もみごとでした。幻想を、見える化する力量。物語を、物語たらしめる拡張力。
12月1日にあった第4回目が「塔」でした。
今回のシリーズは、物語ではなく、現地の生活の歴史です。歴史も100年、1000年単位の。
とりあげられたのは、スペイン北西にある「ヘラクレスの塔」。
2000年前、ローマ帝国のクラウディウス帝〜ネロ帝の時代。現イギリス、昔ブリタニアに侵攻する中継地に、軍船の灯台として建設した。
高さ43m。2000年前の超チョ〜高層建築。
4世紀まで、イスラム軍の要塞になり、17世紀の大航海時代にはイギリスやオランダの中継地になり、19世紀にはナポレオンの軍勢が来襲。
灯台のある街ラ・コルーニャは、パブロ・ピカソが少年時代を過ごした。
「キャラメルでできてるみたいだ」と彼が言ったので、21世紀の子供達は「灯台キャラメル」を美味しそうになめながら、先生と遠足に来る。
もう一人パブロ・カンダミオさん。彼は、灯台に魅せられた写真家。元、精神科医。
「どうして人間は高い塔を建てるのか?」と、ロケでディレクターが質問したそうです。
「猿が立って人間になったんですよ。高みをめざすのは、本能ではないでしょうか」。秀逸です。
言い忘れました、写真は渋谷文化村付近を散歩をしていて見つけた、何かの突起物です。