ああ、日本人でよかった、ちっちっ

これ、何だかわかりますか? 現在も歌舞伎を見るとカウンターで売られているプログラムです。その、江戸時代版。和綴じで、せいぜい16ページくらいのもの。

「假名手本忠臣蔵」をはじめ、30冊ほどの演題のプログラムを見ました。所有者は、聖学院大学鈴木英一先生。もう一つの顔は、常磐津和英太夫(ときわず わえいだゆう)。

江戸時代からプログラムがあるのも驚きでしたが、日本に、常磐津協会というのがあるのも驚きでした。もちろん先生も協会員です。

彼の知り合いを毎回連れてきて、10月28日から12月9日まで、7回開講した「江戸の芸能を知る 歌舞伎鑑賞入門と常磐津体験」が終了。

受講者は、実際に唄いました。常磐津「夕月船頭」。

夕月に 涼風を
待つか 花火や 三股(みつまた)の
岸に 繋(つな)ぎし 通船(かよいぶね)

ほんと、ご隠居気分。首がヒョコヒョコ揺れます。

合わせて、歌舞伎名場面の映像体験。シロウトが常磐津を習いながら見ると、どれだけ歌舞伎役者の発声が板に着いたものか、わかります。



講座会場は、小田急線・代々木上原駅から徒歩3分。道の途中には「古賀政男音楽博物館」がありました。演歌の殿堂です。

ところで、11月26日にTVで「美空ひばり 不死鳥復活ライブ」が放映されましたね。見ましたか? 今年は、23回忌なんですね。

21組が彼女のカバー曲で出演しました。改めて、ひばり嬢の受容力と再現力に、誰もがうなずいたことでしょう。ちゃんとした売れっ子が束になっても、かなわない。

すると、僕は「どこが、なぜ、どうして?」となり、通っている港区の赤坂図書館にあるCDラックの前に立つ。

美空ひばり珠玉集」。45巻に、プラス特典盤。ここでも女王の座。CD貸し出しは1回に3枚の規定なので、何回、借りて返却を繰り返したか忘れましたが、ほとんどを聴きました。

コロンビアは、発売した時に歌詞を1冊の本にまとめました。それは館外持ち出し禁止。ですから、声だけを聴くことになります。で、わかったこと。

明瞭に歌詞がわかるすごさ。メロディで、意味が増幅されるすごさ。リズムで、聴き手の感情を整理しながら次に進むすごさ。

それでは、「不死鳥復活ライブ」とは反対に、彼女がカバーした曲を聴いてください。

残念ながら、You TubeにはCD45巻プラス特典盤ほどの楽曲がそろってませんが。

都々逸  古賀政男さんと共演した、若いお嬢。

ひとり寝の子守唄  お登紀さんも眉をハの字にして喜んでいるでしょう。

二人でお酒を  日本語をリズムでかがっていきます。

  フォークって、若者だけじゃなく、世代を問わない歌なんですねぇ。

銀座の雀  森繁さんと同じ、これも、ため息が聴こえてきます。

売り出し中の青木隆治さんを、最近知りました。すごくいいです。

それでは最後に、これは小椋佳さんとのバーチャル共演。 愛燦燦を聴いて、おやすみなさい。

そうです、未来たちは、人待ち顔して微笑む。