あっという間に、3時間超のライブ

19日新聞コラムの最後に「音楽評論家・湯浅学」とあったので、ちょっと笑いました。親しみを寄せて。ご高名はかねがね、でした。

来日し、ビルボードライブ東京であったアーマ・トーマスのライブ評をしてました。「絶えずまろやかで、よかったら耳を傾けてほしい物腰で、明朗な恋情を伝え、小さなドラマを描き出す」。

イッツ・レイニン」などの往年のヒットが歌われたらしい。

21日は、彼が渋谷アップリンクで「アナログばか一代のクリスマス会」があるというので、行ってきました。

音楽といえばデジタルの世の中に、頑固にアナログのレコードを偏愛している兄さんが、クリスマス曲を特集するというので。

オープニングは、アメリコ3人組のライブ。30分ほど歌った後に、湯浅兄さんもギターを持って登場し、4人でロックンロール。

自宅から持参したスピーカーやアンプを設置し、システムを紹介がてら始まったトークショウ。

ゲストは、ハイファイレコードストアの人。佳境に入ると、アメリカとイギリスでの買い付け話を始めました。

丸ごと中古レコードで埋まったビルの話や、探しているアーティストのレコードを溜め置き買い付けに来るのを待っていてくれた店主の話。

泣けます。

さて、湯浅兄さんのレコードセレクション。一枚ずつ、ていねいに紹介してはターンテーブルにかける。フィル・スペクターのA Christmas Gift for Youは発売された国別に4枚のLPを持っているという。

「もっと、彼らしいをクリスマス曲を」と待望していたら、出てきました。美空ひばり嬢の「びっこの七面鳥」とか、小坂一也や浜村美智子の「ジングルベル」とか。うれしい。

歌詞の中「ジェーンと家を持つ、というところが秀逸です」と、コメントも兄さんらしい。

かつて、大滝詠一さんとレコードを持ち寄って交互にかけるラジオ番組をやった。題して「クリスマスソング合戦」。それから、コレクションに磨きがかかった、んですって。

手回しの蓄音機の実演には、びっくりしたなぁ、もう。

1ヶ月ほど前に、彼が著いた「音楽が降りてくる」を読んでました。この本は10年ほどの評論活動やライナーノーツをまとめたもの。

海外国内とりまぜて紹介してます。

僕が気に入ったのは、勝新太郎さんのところ。「善悪の彼岸をひょいっと乗り越えた哲人だった」と書くあたり、愛惜がこもっています。

残念ながら、心酔したCD「遊びばなし」「もういちど、遊びばなし」はYou Tubeにありませんでした。買ってください。

その代わり、こんなのがありました。バルテュスと彼は出会っていたのです。

三味線も披露してました。すごい。