雪の日に、引きこもってさまよい歩く
東京に初雪が降りました。しばらく、近所の家々の屋根を眺める。
もっと、どか雪なら撮影したいけど、これではカメラを持って外出する気になれない。
雪→「飢餓海峡」→水上勉→彼の他の著作、と連想が続いて、積ん読の「宇野浩二伝」に手が伸びる。
「文学の鬼」と言われていますが、どこが鬼なのか、前から気になってました。菊池寛や芥川龍之介や直木三十五と、同時代人。
全身、これ小説家。
読みたいけど、気分じゃない。水上さんすいません。巻末の図書カードを見る。貸出期限票を眺める。8回、貸し出されていました。
こういう、古くさい習慣のカケラ、いいですねぇ。マメにコツコツやっていた司書、会いたいなぁ。
奥付に印刷されている「検印廃止」の文字も好きです。1970年代の出版物には、まだ、残っていたんですねぇ。
プログレッシブ・ロックというジャンルを最近知りました。その最高峰だというイエス、聴いてます。
どこがプログレッシブなのでしょうか? とにかくプログレッシブなんでしょうね。そうですか。
部屋に引きこもって、相変わらず雪を見る。
近所では、マンションの外壁工事をやってます。
資材の上げ下ろしのため、工事人向けの注意書きが張られていましたっけ。
「ひとりだと操作をあやまって、吊り荷が思わぬ揺れを。いたい!じゃすまない」。
「こんな事にならないよう、相判者・合図者と一緒に作業をしよう」。
トラックのクレーンから吊り下がった資材にぶつかる工事人の絵付き。目はバッテン><。
現場の標識って、いいよねぇ。大好き。駅などにも、よく、その駅ならではの案内とか注意書きがあるでしょ?
「誰が描いたんですか?」「好きな奴が」。
その、絵の好きな奴、会いたいなぁ。彼女いるかなぁ? かみさんとうまくいってるかなぁ?
「モノからモノが生まれる」ブルーノ・ムナーリ著を思い出しました。
インダストリアル・デザインを語った本。彼が気に入った「これこそ、デザイン」商品群が紹介されていました。
オーケストラ用譜面台、ビーチベッド、平行6面体の牛乳パック、ミヒャエル・トーネットの椅子など。
「デザインは、スタイルとは違うのだ」という彼の主張は、簡潔さを旨とする。好きだなぁ。
ガレージや作業現場で使われるランプ、これも好きです。
作るのに安く、使って便利、どこに置いても安全で、耐久性も無限。流行に譲ったところが一つもない。
だから、美しい。
寡黙な道具って、雪のようなコンディションの日に頼りがいがあるんだよね。