マクロを狙うか、ミクロを狙うか
クリストファー・クロスが3月に来日するそうですよ。
カメラを常時持ち歩くようになって、1年弱。
ブログを書き、そこで発表する舞台があるから飽きないのでしょう。もちろん、撮影後の処理が基本タダということもあります。
デジタル万歳。
とはいえ、「我が道を行く」ほどポリシーあって撮っているわけではないので、左右をキョロキョロ見ています。
「カメラは知的な遊びなのだ。」田中長徳著。彼は、写真家のキャリアも長く、結構本も出してます。
この本では、デジタルと銀塩と2種類のカメラを持つことを提唱してました。音楽でいえば、CDとレコードと2つ聴くことと同じでしょうか。
デジタル一眼以外にもいろいろあります。
コンパクトカメラ、玩具カメラ、ピンホールカメラ、フィルム付きカメラ、ロシア製のカメラ、2眼レフカメラ、大判カメラなど。
たぶん、2〜3年後には、違うタイプのカメラを欲しくなるのでしょうね。
カメラの種類だけではありません。
他の人は、どういう考えで撮っているのだろう、という興味もあります。
1月21日は、恵比寿にある東京写真美術館でギャラリー・トークがあったので参加しました。
建築家の藤森照信さんと、写真家の西野荘平さん。
新進写真家の5人展「写真の飛躍」で、1階アトリエで開催されました。西野さんが、路上観察学会の活動をする藤森さんとぜひ話をしたくて実現した企画。
路上観察学会って、ご存知ですか?
道路をゆっくり歩くと、町は不思議に満ちあふれているのです。破顔一笑するズレた物件が、あちらにもこちらにも。
たとえば、階段を上って行くと壁になっていたり、樹木が電信柱のイチャモンをつけていたり。
それを、中年過ぎの男たちが団体で「おもしろいねぇ」と言いながら、撮影し、飲みながら品評会をする。
僕も、その怪しげな活動に多いに影響を受け、たとえば、ビルを覆うネットからはみ出したサボテンをパチリ。題して「自然サボテン児」。
それが何か? という向きの方とは友だちになりたくないです。
西野さんが、藤森さんと話したかったのは、路上に投げる視線で、何かヒントを求めていたからなのでしょう。
彼は、在学中に四国のお遍路をして、後に伊能忠敬に感銘を受けて地図が好きになり、東海道を歩き、世界に出て10年で12都市を巡った。
先々で高地に上り、土地を俯瞰して撮る。
銀塩で撮影し、ベタ焼きを作って、時の経過を反芻するのも旅です、と語る。
「ベタ焼きのベタは、『地べた』のべたの意味です」と、大学教授の藤森さん。
え、そうなの?
1982年生まれの西野さん、若い。今、「眼の狩人」大竹昭子著を図書館から借りてきました。
大家たちが、キャリアをどのようにスタートさせたか。そして、写真と歩んだ人生。興味が尽きません。
クリストファー・クロスのこれも、ファインダーを覗くハンターの姿勢だよねぇ。