お友だちぃ、よく噛み噛みしてね
奥田弦君10歳の話、知ってます?
身長136cm、体重29kgの小学4年生。去年、単独公演が3回、12月にはCDも出した。
4歳でショパンやビートルズを聴き始め、5歳で作曲を始め、6歳でオスカー・ピーターソンやビル・エバンスを聴いてジャズに傾倒する。
悔しいから、僕もビル・エバンスを聴きます。
こたつに生卵を入れたり、家の鍵を庭に埋めて隠してわからなくなったり、のいたずらっ子。
この辺は、経験済みだから悔しくない。
カエルの子は、カエル。やじ馬の子は、やじ馬。
で、弦君の両親は、我が子に弦と名付けるくらいだから、ギター好きです。
この話を聞いて、思い出したのが18日に国立情報研究所の市民講座でした。題して「コンピュータで言葉を理解する」。
講師は、宮尾祐介さん。研究所のコンテンツ科学研究系准教授。
専門は、自然言語処理・計算言語学。文の構造や意味を計算するための理論や技術を研究している。
って、わかります? 構文や意味を、計算する? 計算できるの?
よく、将棋やチェスで、人間のチャンピオンと戦うコンピュータが話題になりますが、あれとは違うような気がするが。
自然言語処理とは、人間の話す言葉を「理解」するコンピュータを作ること。
「理解」、というところがポイント。
たとえば、人間が「どこか、おいしいイタリアン・レストラン知らない?」と、問う。
答「知ってます」。こう答える人とは、友だちになりたくないでしょ? 答にはなっていても。
できるなら「いい店あるよ。高級店がいい? それともカジュアルな店をさがしてるの?」と、返してほしいでしょ?
問いから返答に至る経緯には、「理解」というプロセスがある。
この「理解」が、どのような仕組みになっているのかと、推測を計算する学問。
すると、単純に文字列をわかるのではなく、言葉の「意味」を考える=計算するということになる。
最初の奥田君の話にもどせば、小学生にも音の「意味」を考えることができるということでしょうか。
見る人をつきはなすようで、「よくわかんな〜ぃ」代表の現代アート。
「『なぜ?』から始める現代アート」長谷川祐子著を読むと、脳内コンピュータが「意味」を計算できなからなのでしょう。
ところが、人間のいいところは、「習うより慣れろ」ができる。
拡散する自己 → どこまでも広がっていく心地よさ
呼び覚まされる記憶 → そうだ、ああいうこともあったね
身体への浸透力 → めちゃ、体に入って来るなぁ
長谷川さんは、博士論文を著いた勢いで職業病のような文字遣いです。
人間は何か気になることがあると、それをアートにしたくなる。その森羅万象、種々雑多がおもしろい。大いに、見続けます。