ほんとはカバット先生の声が聴きたい
29日午後2時から4時まで、練馬区立石神井公園ふるさと文化館で、アダム・カバット先生の講演会がありました。
歯ぎしりして残念なことに、申し込んだ時点で、すでに満員。参加できませんでした。
浮世絵や草双紙に描かれたお化けたちが、これほど人気だとは。カバット先生の人気もあいまっているのかもしれない。
1月21日から3月4日まで開催されている「江戸の妖怪展」。25日に行きました。
小学生時代の台東区・根岸は、「粋な黒塀、見越しの松」宅が結構あって、これすなわち「お囲いもの」さんの家。妾宅。
旦那さんが通ってくる時以外は、彼女も暇ですから、近所の子供たちと遊んでくれました。
庭広く、池もあり、灯籠が立ち、庭道具を収める小屋もある。そこで、夏の夜ともなれば、お化け大会をやっていたのです。
無事、回って帰って来られるか? という肝試し。
手作りした各種お化けは、振り返ると、すべて江戸中期から連綿と続く化け物絵巻がルーツだったんですねぇ。
「どうにもならないことは、すべて妖怪のせい」にしていた1700年後期。
そうだ、現代も「妖怪のせい」にすれば、万事円満に解決するじゃない、と膝を打つ。
音はキャンディ・ダルファー。
展覧会は、鳥山石燕の百鬼夜行図から始まり、草双紙・黄表紙に描かれたお化け、ヒートアップして歌舞伎で演じられたり浮世絵になり、双六や影絵などのおもちゃにも登場と、正調お化け史の展開。
頬、ゆるみっぱなしで、会場を2回も3回も巡る。
ご存知、四谷怪談、皿屋敷、天竺徳兵衛、累(かさね)、小平次らも見られます。
みつくろって、十返舎一九作の「化物見世開(ばけものみせびらき)」でも紹介しましょうか。
・江戸で坂田金時に退治された化物一行は、しょうがなく、箱根の先に引っ越す。
・リーダー格の見越入道は、とにかく、皆が暮らせる棲家をさがす。
・商売をしなきゃなるまい、と全員でミーティングする。
・化物が登場する時に、ひゅ〜どろどろと生臭い風を送るフイゴを作る。
・誰も買ってくれないので、このビジネスから撤退する。
・すると、「舌切り雀」のツヅラに入って欲しいと、仕事の依頼が来る。
・小銭を稼ぐも、「我々の本業は、人間をおどして金をまきあげることでは」と提案がある。
・一決して、柳の下に店を構える。見越入道は、一段落して弁当を食べる。
・金持ちになり、金貸し業も始める。お菊さんは皿屋敷の井戸を担保に50両の融資申し込み。
・最初バカにしていた地元の化物たちも、「やるねぇ」と一目置き、信頼を集める。
ね、ね、ね?