「だっち」と遊んで、発酵したかな
30日、NHK「プロフェッショナル」で再放送された追悼・石岡瑛子さん、ご覧になりましたか?
初回は去年2月14日の放送とありましたから、その後1年しての逝去、悼む言葉がありません。
初回放送は、もちろん見てました。そして、僕の永年の友だち、カメラマンの「カメだっち」も奇しくも見ていたのです。
「オレのマル秘ノートに、瑛子さん語録をメモしてある」と、見せられたのが、数々の言葉。
・誰もまねできない、革命的な、時代を超えるデザイン。
・すべてのデザインには、意味がある。
・まだ途中ですから、「旅」の。(71歳にして)
鮮やかに蘇り、再放送で再確認。彼女はdiscipline訓練・鍛錬とも言ってました。
マル秘ノートは、29日に彼の事務所に遊びに行って見せられたもの。「カメだっち」も、シャッターを押し続ける意味を、尚、discipline中です。
「これ、どうでしょうか?」と、コピーライターの「音だっちツネツネ」がつぶやく。事務所では、3人で遊んでました。
「カメだっち」が永年撮り溜めてきた写真に、「音だっち」が音楽を付ける遊び。
ほとんど瞬時に選曲します。すごいねぇ。写真に彩りが出て来る、立体的になる、より感情豊かに見られる。
音楽のチカラを再認識しました。
「音だっち」は5歳くらいから音楽をやっています。
ということはそれから20年間、出会った光と闇、自然と人工、有と無、働と休、透と濁、喜と悲などに、音を感じて来たということですね。
ですから、写真をちょっと見ただけで意味がわかり、右から3番目とか左から18番目の引き出しから音を取り出せる。
好きなことは、無意識にdisciplineするので、ますますうまくなり好きになる。今回、写真に付けた曲は阿部芙蓉美でした。ピッタシ。
夕方になって、「音だっち」は仕事に復帰。僕と「カメだっち」は、浅野忠信の映画「月光ノ仮面」を見に行く。板尾創路兄さんが監督・脚本・出演もしてます。
落語「粗忽長屋」をベースにして、「俺はいったい、誰なんだ?」という、誰もがうすうす自身に感じている不思議に還っていく映画。
瑛子さんは、こんなことも言ってました。
「人から見たら、寝転んでいたほうがいい、という人もいるでしょう。私は、馬車馬のように自分のすべてを燃やすしかない」。
寝転んでもいない、すべてを燃やしてもいない、まごまごしているのが僕。「俺はいったい、誰なんだ?」。